ザルツブルクのサマーアカデミー:成長と変化の軌跡 時代が変わるとアカデミーも変わるよ

ピアノとヴァイオリン

早いものでもう8月1日ですね。
あっという間に7月が終わっちゃった。

完全な形ではありませんが、私は今ザルツブルクに滞在中です。
そう、前述したザルツブルクのサマーアカデミーに来ています。

数年前はインターネットでの動画オーディションがなかった為、参加希望者はとりあえず現地に来て教授が1日目にアクティヴ受講者(実際にレッスンが受けられる人)と聴講者に振り分ける、というシステムでした。

人気教授の所では希望者が殺到し、カオスを生み出したのですが、インターネット技術の進歩でそれも無くなりました。今はYouTubeの動画で教授がとりたい学生を選べる。だから学内が学生で溢れたり、練習室を購入するためのバトル、なんてのも無くなりました。

主催者側はきちんと管理し、正確に、きちんとワークされているようです。
だから運悪く、どの教授も取ってくれなくて、泣く泣く遠くの国に帰る、なんて無駄足も無くなりました。

一方、悪く(というかやりにくく)なった点もいくつかあります。

数人の教授は、練習室を購入できない貧しい学生のために自分のレッスン室をレッスン以外の時間に貸してあげる、なんてよくあったのですが、そんなの禁止。教授が心優しく貧しい学生に手を差し伸べていたことが、厳格なルールのために難しくなってしまったことは寂しい限りです。

ある教授は熱心に深夜0時までレッスンしていたのですが、もちろんそれもダメ。当時のモーツァルテウムのポルティエはずーっといたので、練習も深夜まで出来ました。今はもちろんそれもダメになり、「練習三昧」がなくなったのも寂しい。ラウンジが使えなくなって、仕事ができなくなったのもアウト。ここでランチを食べたりしていたのに、それもなくなってしまったみたい。まあ、クリーニング代とかが節約できるのでしょう。

事故や事件予防のためには当たり前の事ですが、良い面もあります。
以前は某国の子供集団が廊下に座り込んで、始終ピクニック状態で本当に嫌だったのですが、流石にこれも無くなりました。今となっては懐かしいお話です(全然だけど!)

今のアカデミーはより効率的で、普通の人にも受け入れられる安全なものとなっていて、これは素晴らしい事だと思います。

いろんな学生さんや親御さんと再会したり、新たに知り合ったり、過去と現在のアカデミーの変化について思いを馳せながら楽しく毎日を過ごしています。

アカデミーのこの素晴らしい体験を通じて、人生が変わる人もいる事でしょう。
みなさんも素晴らしい音楽との出会いがありますように、そして新たな冒険へと進んでいきましょう!