昨日はオーストリアウィーンに移住して良かったことについて書きましたが、今日はウィーンに移り住み、驚いた事を書いてみたいと思います。
題して「オーストリア・ウィーンと日本のサービスの違い」
そのひとつに、日本と比べると、サービス精神がかなり低いのではないか？？？、ということがあります。人種差別、とか性格が悪い、とかそういう問題ではないのです。それが別にフツーなのです。
まずは銀行。
20年くらい前の話です。さすがに今はないだろうなあ（と願いたいが、かなり疑問）
当時はオンラインシステムが普及していなかったので、振込用紙に記入して銀行に持き、振込手続きをするのが普通でした。ところが振り込んだはずのお金が相手側に届いていない。「おかしいな」、と思ってこちらの控えも持って尋ねると、係の女性が、普通に、
「あら、きっと銀行の中でなくなっちゃったんだと思います。」
「はぁ？なくなっちゃったって。。。。」と呆然としていると、
「こういう紛失ってよく起きるんですよ。それぞれ自分で確認しないと、振り込まれてないってよくあることですから、気をつけてね下さいね！」と明るく言われて気が抜けました。
もちろん「申し訳ございませんでした」なんて言葉はゼロです。
あくまで明るく、「そうそう、よくあるコトなの！だから『あなた』が気をつけるべきなのよ」と処理されて、全身脱力しました。
日本の銀行でこんなことってぜったいにおきませんよね！！！！
更にバージョンアップした、今でも忘れない、私の体験をおひとつ。
約25年前のある日、私が勤務先の振込、約20件の振り込み用紙を持って銀行に行った時の話です。前例と同じく、当時は昔ですので、オンライン振り込みというものはまだありませんでした。
振り込み用紙に書き込み、サインをし、それを銀行に持って行くと銀行員がそれを処理し、お金が相手側に振り込まれると言う、大昔のシステムです。
私が振込用紙の束を渡すと、その係りの年配で高そうなスーツを着た女性が、本当にうんざりした顔して
「どうしてこんなにたくさん持ってくるのよ。あああ〜、もうハンコを押すのが本当に大変だわ！！！」と言ったのです。
もう私は目と耳を疑いました。お客様に対してこの態度、あり得なくありませんか？どびっくりでした。それだけならまだしも、
「ねえ、あなたもこの用紙、半分切り取ってちょうだい！」とか言う！！！
めまいを覚えながらもかろうじて「それはあなたの仕事でしょう？」と言うのが精一杯でした。今だったら、100倍その場で文句を言えたと思いますが、当時は若かったのとあまりのショックで失神状態でした。
こんな態度の人、日本の銀行に絶対にいませんよね？！
この時はあまりに腹が立ったので、支店長（知人）に苦情を言ったのですが、オーストリア人で東京勤務経験のある彼は、申し訳けなさそうに謝っていました。
しかし「日本のサービスが素晴らしすぎるんだよ！」と言う彼に、「違う！そこじゃない！！！」といったのを覚えています。腹が立ったと言うより、驚きました。
この例はオーストリアのサービスというより彼女の人格の問題だと思いますが。。。
以下は「スーパーマーケットでのアルアル話」
オーストリアに滞在するほぼ、皆さんが体験さなっていると思います。
購入した商品がカビていた、腐っていた、なので持っていくと、謝罪の言葉は一切なく、
さらっと「あ、新しいの取ってきていいわよ、レシートみせて、はい、交換ね！、はい！さよなら！」みたいな感じです。
日本だったら店長が菓子折り持って頭下げに自宅まで来ませんか？（昭和？）
「それを選んじゃったアンタが悪いんであって、商品が腐っていたのはアタシのせいじゃない！」なんですね。徹底しています。
オーストリアの名誉のために書きますが、これら、みんな性格が悪いとか人種差別とかではありません。（人種差別、についてはここにも書きましたが、いつかまた掘り下げて書こうと思います。）
ウィーンに留学したてだったり、駐在したばかりだったりすると、これらをすべて個人的な『個人的な侮辱』とうけとり、深く傷つく人が沢山います。私もそうでした。。。。。。
しかし、違うのです。
これが普通だったりするのです。
これで傷ついていたら身体が持ちません。
「へー、そういう人たちなんだ。変なの！」と思っておけばよろしいかと思います。
しかし数十年が経過し、ウィーンのサービスはこれでもかなり向上したと思います。
サービスが向上しない理由のひとつとして、「競合が無いコト」が挙げられると思います。別にサービスしなくても客は来る。
しかしそんな時代はそろそろ終わりを告げるのかもしれませんね。
さらに進化してくださいませ、オーストリア！！！
