親が謙虚すぎることは子供にとってどうなんだろう問題。「いやいやいや、私、そう思ってないし」と言われませんか?

ピアノとヴァイオリン

「コンクールでうちは賞が取れませんでした。でも良いんです。私はあの子の演奏に感動して涙が出ました。満足です!」みたいな事を親御さんが思っていると想定してみてください。私が子供だったら、どう思うだろう、と考えてみました。

「うん、お母さんが喜んでそう言ってくれたから私も満足。だって一生懸命に練習したんだもの。人生、順番だけが大事じゃないわ」

きっと、これが正解なのでしょう。結構美談だし、多くの人が納得しそうです。

でも私なら、「いやいやいや、冗談じゃないし。一生懸命にやって結果が出なかったのは絶対に原因があるはず。私は上手になりたい。上手になって賞が取りたい!今の練習方法や指導法に問題はないのかしら?改善して進歩したい!!!」と思うのです。いけませんか?素直な気持ちです。

私が日本にいた頃は、日本人だったし(今もだけれど)母は音楽ど素人だし、欲もないし、母子家庭でお金もない。
私が何を言っても無駄です。母はピアノに関する欲望なんて全く無く、ただ音大に行って、お嫁さんになって、お小遣い稼ぎにピアノでも教えられるように慣れば良いな〜、くらいしか思っていないんですから。
でも当たり前ですよね。だって、知らない世界なんだもの。親にしてみれば、そんなめんどくさい事。母は私と正反対で大人しい女性でした。

で、当の本人の私も「どうせ無理よ」みたいな感じで諦めムード。別に希望していない音大を受験して(そこの教授に習ってたから)いつも「なんか違うよな」と思って生きていました。

何が言いたいかというと、親を見て子供は合わせるという現象が起きるという事です。
「こうしたいけれど、どうせお金ないんでしょ。ま、いいや」とか(まあ、経済的なことはしょうがないけど)「他の先生に代わりたいけれど、どうせめんどくさいんでしょ」「この音大に行きたいけれど、どうせここにしないとダメなんでしょ」みたいな感じです。

それで「いやだ!!!」と言えるほどその子がその道に燃えていればそれも解決するのかもしれないですが、そのパワーが湧く前に諦める、それは残念なことだなあと思うのです。

他の例。
あるご家庭ではとても優秀なお子さんがいたのですが、親御さんの口癖が「うちはお金がない」でした。
お金がなくても、やる気と才能があれば、欧州では音大の予備科に入って、かなり高レベルのレッスンを無料で受けることができるし、多くの奨学金(もちろん返済不要)ももらえる。ヴァイオリンなんかだったらうちのみたいに財団や中央銀行から貸与される事だって可能です。しかし「お金がない」「お金がない」を毎日聴き続ける彼女は、最終的には嫌気がさして、かなりの才能があったのに、練習しなくなり、辞めてしまいました。もったえない話です。

最終的には自分が決めることなのですが、親の言葉って子供にはかなり影響するので、自分が満足して解決する前に、上手くいかなかった原因を一緒に考えてみたり、本当のお子さんの心の様子を探ってあげるのも悪くないかもしれません。

おっしゃる通り、順位なんて関係ない、心に響く音楽ができればそれで良い、そう思う心はとても美しいと思います。
でもひょっとしたら、たくさん練習しているのに、練習方法や指導法で落ちたのかもしれません。私の例もあるので、ちょっと気になって書いてみました。

でもね、ピアノやヴァイオリンだけが人生ではないのも事実です。
職業に選ばないことも、素晴らしい選択のひとつです、ということも書き加えておきます。