外国人として海外でスムーズに問題なく過ごす方法とは思いやりとリスペクトだという話

ピアノとヴァイオリン

私が久々にスイスに訪れ、あまりの観光客の多さに驚いたという話は前回書きましたが、行動の悪い一部のアジア出身の観光客を見ると「同じ東洋人として存在している自体、悪い気がしちゃうー」と、悪いことをしているわけでもないのに「見た目がアジア」というだけで気が引ける感は否めません。

そしてコロナ禍の時のように、お店に入ったら『普段よりフレンドリーに笑顔』で、そしてマストは相手を安心させるべく、
『ドイツ語・英語ができますアピール』をしている自分に気がつきます。

そうするとなんてことない、どんな店員さんも、カフェのサービススタッフもみんなフレンドリーでいてくれるので、これはお勧めの戦略です。

私たちはスイスに滞在するといつも友人宅にお世話になります。
その友人はリタイア前にホテルを持っていました。リタイア時に売却してしまったそうですが、今でもホテル業界に関係しています。

私が「こんなに異常なほどの数の観光客なのに、お店の人もスタッフも親切で、スイスはやっぱり素晴らしいわよ!」というと、彼は顔を顰めて「でもねえ、みんなかなり我慢して働いているんだよ」という。

軽く想像がつくけれど、挨拶もなしにお店に入って来て商品をやたらに触る、ガン!と全然違う場所に置く、大声で喋る、人によっては偉そうな態度で値切る・・・・・

これが毎日大量に続くと流石に耐えられなく、それに耐えられずに辞めるスタッフが増えたそうです。接客の忙しさと、フラストレーションで壊れちゃうのだそうです。なんてこった。

あーあ、本当にわかるわー、と思う出来事がスイスから帰国する汽車の中で起きたので書いてみます。

私達は汽車の中に座っていたのですが、私の大きなトランクが通りの半分くらいを塞いでしまっていました。でも人が普通に通れるレベルです。
するとインド、もしくはその周辺国の太った女性が小さなトランクを引きずってやってきました。

いきなりぶっきらぼうな英語で「あなたのトランクを持ち上げて、私のトランクが通れるようにしてちょうだい」と言う。

で、私が「なんで、あなたのトランクの方がずっと小さいでしょう?持ち上げて通ればいいじゃない?」と英語で言うと、「あなたがあなたのトランクを持ち上げるべき」と言うのです。

どう見ても、彼女が自分のトランクを持ち上げる方が普通の流れなので、私の横に座っていた女性二人も「はあ?」と言う感じでその女性を見つめました。

「私のトランクはとても重いの。そして私は小さいの。あなたのトランクはずっと小さくて軽くて、あなたは私より随分と大きいじゃないの!」と私は初めは英語で、そしてさらにドイツ語も言い、で、ちょっと声も大きくなりました。

結局その女性はブスッとしながらも渋々、自分のトランクを、「軽々と」持ち上げて通って行きました。

彼女が去った後、私の横にいたオーストリア人の女性達が、
「良く言ったわ!!!」と興奮して言うので、「ちょっと意地悪だったかしら」と私がいうと、
「そんなことはないわ。だいたいモノの言い方ってあるし、旅行に来て、どうしてあんなに図々しく自分を主張するのかしら」と出るわ出るわ、不満の爆発。

その後も数人の人達が通ったのですが、「大丈夫?通れます?」とか「ごめんなさい、ちょっとぶつかっちゃうわ」なんて優しい声をお互いにかけながら、微笑みが起こるのです。

すべては相手をリスペクトすることから始まります。
私がスイスで嫌だなあ、と思った旅行者の出身国の友人や知人を、私はウィーンで持っていますが(辺な日本語)みんな良い人達です。それはすでにお互いを知っていて、リスペクトがあるからでしょう。

どの国出身だろうが、旅行をしてお金を落としてるんだぜ的な横柄な態度はどこに行っても嫌われます。お客様や旅行者は神様ではないのです。いつも人間は対等な立場にあるのです。

あーあ、こんなのを毎日相手にしてたら、嫌にもなるだろうなあと思いました。
ウィーンはそんなにひどくはないと思っていますが、私が観光業に関係していないから知らないだけかもしれません。ちょっとした気遣いで面倒な移動な旅も楽しくなるのにね、と思いました。