ピアノ・ヴァイオリンなどのレッスンで、あなたは(またはお子さん)の為に録画、録音をしていますか?

ピアノとヴァイオリン

私に関して言えば、当時、私の学生の頃は今のような素晴らしい文明の力(iPhone)はなかったので、ウォークマンでピアノのレッスンを録音して、家に帰って何回も聞いてさらっていました。
 
これは、ウィーン大学に入った時も同じで、講義はほとんど録音して勉強していました。
ウィーンの教授は訛りがひどいので、これなしには非常にキツかったと思います。当時のウォークマンは神です。カセットをいったい何本買ったことか。

自分のピアノの生徒さんのレッスンは、録画を撮ることを薦めています。部分練習のやり方、リズム、部分練習などこれがあればバッチリ。家に帰って忘れちゃっても、携帯を見たらそこにやったことは全て記録されています。もちろんYouTubeなどへのアップ等は禁止ですが、そんな変なことをする生徒さんはうちには幸いなことにいません。

さて、お稽古レベルではなく、音大・専門レベルでの録音・録画の話をします。

巨匠教授レベルで、録画・録音を嫌がる人は、ほぼいません。
ただし、YouTubeにはのせるな、と言われます。これは常識なのですが、出身国によっては平気で動画をアップする非常識な人がいるのも残念ながら事実です。マスタークラスでもレッスンでも、事前にお尋ねするのはもちろん常識です。

ある教授で、自分の英語力があまりにひどいので撮るのはやめてくれ、とおっしゃる人がいました。本当かなり下手だったのでよくわかりました。
「録画をすると、子供が集中しないから」という教授がいましたが、私の観察する限りでは、レッスン分数を明確に記録されるのが嫌なのだと感じました。録画時間をみれば、本当にどれくらいの時間レッスンをしたか、はっきりわかります。

素晴らしいレッスンをなさる教授のレッスンは、どうしても録画したくなります。
教授のおっしゃった事のひとことも逃したくない、と思うのは当然です。
娘が子供の頃に教えていただいた先生は、うちにだけ録画を許してくださいました。「絶対に人に見せちゃダメよ!」と念を押されました。理由は「技を盗まれるから。。。。。」だそうで、もう本当に正直な方だなあと思いました。でも信頼して許してくださって、ありがたいと思いました。

私個人の考えですが、録画を撮りたくならないような教授だったら習いたくない、というのが本音です。自分の指導方法に自信があれば、三脚を何十本立てられてもカメラが何台あっても堂々とレッスンなさいます。

まとめると、ご自分の指導法に自信があって、その学生との信頼関係が築きあげられていれば、お互いの同意のもと、録画録音は問題なく行われて良いと思うのです。
しかしながら、関係がまだきちんと出来上がっていない場合、教師側が嫌がるのもわかる気がします。特に日本でのアマチュアや趣味のお稽古の場合だとちょっと違うかもしれません。私は日本を離れて長いのでよくわからないのですが、技術を伝達するというレッスン以外の心配な要素があるとも聞きました。
ここら辺は、わたしのちょっと知らない世界です。
まずは信頼関係を築き、話し合って個々でお決めになると良いと思います。

さて、お稽古の録画に話は戻ります。
嫌がる先生もいらっしゃるようですが「お手本に弾いてください」と言われても、私は平気で録画させます。もちろん大曲を数分通して、なんてのは恥ずかしすぎるのでお断りですが、それでも部分練習の仕方などは録画OKですし、撮って勉強してほしいと思っています。今は携帯で簡単に録画できるので、本当に素晴らしい時代になったと思います。