まわりにいる人間を選べない場合のストレスは地獄という話と、どう対処するべきか、というおはなし

ウィーン生活

ピアノやヴァイオリンには直接関係ないですが、まあ、関係する場面もあり得るので興味のある方はお付き合いください。

さて、日頃私がよく口にすることですが、「類は友を呼ぶ」

周りを見回すと、自分と価値観が似た人が多くいる、ということです。意地悪な人には、意地悪な人が集まるだろうし、優しい人には、優しい人が集まる、みたいなことです。これは日頃の自分の心がけによって、いくらでも改善することができます。

しかしながら、「類友」に徹底して周りに良い人を集めるのは可能ですが、選ぶことのできない環境に入った場合、とんでもない人が近くに存在して、凄くストレスが溜まることがあります。今日はそのお話。

例をあげてみれば職場の上司・同僚。学校での教師、同級生。寮生活をするとその同居者や隣人です。

これらの中に、自分と違う価値観を持った人が居る、ということは大いにあり得ます。何が一番悲惨か、それは、自分と違った「衛生意識」を持っている人と連日数時間、一緒に過ごさなければいけない、ということです。

食事中の方は見ないでください。

日本ではこんなこと滅多に起きないのでしょうが、私のいるのは欧州。例えば、洗面所の使い方が想像を絶するほど汚い同僚がいました。

「一体どういう家庭で育ったんだ」と思いますが、両親ともに素晴らしい方々で、裕福な女性だったりします。性格は優しい良い人でした。私が怖かったのはただただ、彼女の衛生面に置く価値観の低さ。。。(しくしく)

ある寮に住むの留学生女子は、同じ女子とバスルームをシェアしていますが、隣の部屋の女子は気が遠くなる程汚くバスルームを使用し、バスローブはいつも汚く臭く、人のクリームや生理用品も勝手に使ってしまうそうでモヤモヤ感どころかもう、ノイローゼ状態でした。

基本、人は、他人を変えることはできません。こういう人たちには言葉で注意してもまず無駄。子供ならまだしも、20歳を超えたような人間は、それらの自分の非衛生さを「恥ずかしい」と感じたことがなく、逆に「なんでそんなことで怒るのかしら?変な人間ね」と逆思っているので、その人達を改善することは、第三者には不可能なのです。

で、どうしたら良いでしょう?
まずひとつの手。私が使った手は

「私は病的なほど神経質で、人と「モノ」をシェアすることができないの。だからお願い、右側のトイレをあなた専用、左側を私専用にしていいかしら?」

と、「悪いのは私の方、だからお願い、協力してね」という風にアプローチするのです。
怒ったりするのではなく、「お願い」してみる。これもひとつの手です。こういう人たちは「叱られる、不平を言われる」ことに慣れているので、不平を言っても効果がないのです。これは効く場合があります。

寮で被害にあった女子学生は寮のオーナーに相談し、解決しました。他にも苦情が出ていたので、退、退寮、やれやれです。こちらの場合は、だらしがないだけではなくプチ泥棒もやられていたので厄介です。

こちらも、本人に直接言っても恨まれることはあっても、改善の道にはつながらなかった事でしょう。「変な人」は残念ながら存在します。

まず私は彼女に、化粧品や生理用品をしまいこむこと、そして金品に被害が発展しないよう、常時鍵をかけるようアドヴァイスしました。生理用品などを平気で拝借しちゃうような、小さな窃盗を平気でする、そういう人は残念ながら指が長い場合がかなりの確率で高いのです(泥棒をすることをドイツ語でそう表現する)

いずれにせよ、私はそういう人たちを私は「人間」と思わないことにしています。可能な限り距離はとりますが、それが無理な場合もあります。

「人」と思うので頭に来るのです。失礼な話ですが「変な生物」と思うようにしています。そうすれば腹立たしい気持ちも少しは減る気がします。

しかし本当に嫌です。極端にだらしのない不衛生なことが平気な人。同じ生物とは思えません。できるだけそばにいて欲しくないですね。