人生ほぼ初めての入院と小手術の体験記 ウィーンにて(2)

ウィーン生活

はい、昨日の続きです。
さあ、手術日前日となりました。
キツく言われていたので、前の晩、9時からはもう飲まず食わずに徹しなければいけません。
「食べない」というのはさほどキツく無いのですが、「飲まない」と言うのはキツイ。
というか、間違って水とかコーヒーとか、手が勝手に動いて飲んでしまいそうなので、本当に気をつけました。

私の友人=ホームドクターに「ねえ、何を持っていったらいいの?」と聞いたら、
「1泊の旅行に行くようなもので充分よ、お寝巻きとかもらえるから、自分のブラシとか〜」というあまり参考にならない(笑)答えが返ってきたので、とりあえずパスポートや病院に必要な書類をまとめ、携帯と充電器などを持っていきました。

受付に行くと「目の手術ですね」と言われたので「いやいやいやいやいや、コンタクトレンズは外すように言われているのでメガネをしているのであって、眼科ではありません」と慌てて答え、ちょっとうろたえる私。笑う看護師さん。笑うところじゃないぞ。

しかし受付の女性も、看護師さんも、もう、最高にフレンドリーです。
私の病室(3人部屋)に行くと、すでにベットに横になり、私と同様手術を待っている女性がいました。オーストリア人の40歳くらいの綺麗な人です。仮にAさんとしましょう。この人もまた、最高に感じがいい。

「私の手術予定は3時半くらいなの。あなたはそのあとだから5時くらいかしら?もう喉が渇いてお腹が減って耐えられないわ〜〜」と笑う。

彼女によると、緊急オペが2件入って、それで時間が押しているらしい。私は、病院に来たらすぐにオペだと思っていたのでかなりがっかり。なんと手術は夕方、それまで飲まず食わずでベットで待機です。

Aさんは点滴を受けていて(ずっと飲まず食わずだから水分と栄養補給のため)
「でもね、これ最高に気持ちいいわよ。なんか身体に水分が入って、す〜っとする感じなの!」と嬉しそう。そうなのか!

看護師さんが入ってきて、私に点滴のための針を挿入します。

これは点滴にも使うし、麻酔注入にも使うようです。この看護師さんがまた面白かった。まず、1回目は失敗。血管にうまく入らない。「あ〜〜〜、ダメだわ。今日は私のラッキーデイじゃないわね。彼女(隣のベットの人)も1回目は失敗したの。今度のトライが失敗したら、私、うちに帰るわ!なんていう。

「あなた、私のここにブっとい血管があるじゃない、これを使いなさいよ」と私がいうと、「ここはダメ。曲がったら痛いから。大丈夫、任せて!こっちかわの血管を取るわ」と言って、2回目は無事終了で大笑い。

看護師さんが去り、そのあと若いお医者さん等がインタビューに来たりしていたのですが、私とAさんと2人になって、「うるさかったら言ってね」とか「今、彼氏に電話してもいいかしら?」なんて探り合いながらも徐々に楽しいおしゃべりへと移行。

「手術が早く終わったら、帰りたいんだけれど、数時間はベットにいないといけないからギリギリだわ〜」という彼女。そうか、早く終わって、付き添いがいたら帰れるのね。

そうこうしているうちに、3人目のルームメイトが手術が終わってベットごと看護師さんに運ばれて返ってきました。仮にBさんとしましょう。

手を振って入室。元気そうです。私を見て「おお、はじめまして〜〜〜」と明るく挨拶。この人も私と同年代の女性でオーストリア人です。

「もう、ここって看護師さんもドクターも超親切でもうありえないわ!!!」とBさん。
「ただ、腰が痛いわー。でもこれで水も飲めるし食事もできるわ。やった〜〜〜!」と大喜び。看護師さんがやってきて、Bさんの手を取って歩行の練習。麻酔から覚めたばかりなので、とても用心深いです。

するとさっきの看護師さんがやって来て
「レディース!準備はいい?手術の時間が早くなったわよ!!!!」と叫ぶ。
絶叫して喜ぶAさん。「やった!今日中に家に帰れるかも、っていうか、お腹減った!!!」

男性の看護師さんがやってきて、彼女をベットごと手術室に運びます。流石にハグはしませんが、手を握り合って「頑張ってね!」「グットラック!!!」と言葉を交わす私たち。今あったばかりなのに、「同志感半端ない」です。3人とも同じような手術です。

彼女が去って、私とBさんとの長いおしゃべりが始まります。
長いので今日はここまで。