人生ほぼ初めての入院と小手術の体験記 ウィーンにて(1)

ウィーン生活

さて、幸いなことに、私は人生において大病とか怪我をしたことはありません。
盲腸もまだあるし、スポーツをしないので骨折とかもなし。入院といえば、長女を出産した時にウィーンの病院に滞在したけれど、妊娠出産は病気じゃないし、安産だったので、まるでホテルにいるような心地良い滞在で、なんの心配もありませんでした。

しかし、今回は小さいといえども「手術」
そして、術後の組織を調べたら、「悪性」ということもあり得る、というおまけ付きで人生初めてドキドキ、不安な気持ちになりました。大袈裟と言われるかもしれないけれど、最悪のことを考えて身の回りの整理をしなきゃな、と真剣に考えるきっかけともなったのです。

さて、長い時間がかかったのですが、結果は良性だったので、こうして書いています。

詳細は書きませんが、どんな流れでどうなったか、ウィーンの入院の一例として、こちらに住む方のご参考になれば、と思って書いてみようと思います。

定期検診で見つかったのが、4ミリの小さいポリープです。2月だったかな?
私のお医者さんはとにかく「大丈夫大丈夫!」が口癖の人なので、その時も「ぜーんぜん、大丈夫よ。心配していないけれど、あなたの年齢からいって切って組織を調べれば安心だから、病院にアポを取って切除しちゃいましょう!」

あまりに簡単に言われるので、「へー、そうなんだ」と受け入れる私。

しかし「日本語」でネットで調べるとまあ、出てくるわ出てくるわ、読みたくないような記事。ちょっと心配になってくる。

それから2ヶ月後くらいにやっと病院のアポが取れて、初めの診察を受けました。
とてもフレンドリーな女医さんが丁寧に診察を始めたのですが、エコーと睨めっこをして、しかめっ面をして「わからないわ!」と悩みはじめた。「おいおい、患者の前で悩むなよ!」と不安な顔をする私に、「上司を呼んで聞くわね。この組織の境界線がわかりずらいのよ」と素直に説明。「そうか。私なんてもっとわからないわ」と思う私。

電話で呼び出された上司の女性医師がマフィンを食べながらやってきて、エコーをちゃっちゃと調べ、「これはこうでこうこうよ、だからこう!」みたいに説明し、私に「大丈夫よ」みたいなことを言って去っていきましたが、不安が倍増する私。

どういう内容の手術かという説明を丁寧にしてもらって、サインをしました。
ざっくりいうと、失敗しても文句言いません、みたいなやつです。「こんなこと、絶対に起きないのよ〜」と言われても「もう聞きたくない!説明しないで〜〜〜〜!!!」と叫びたくなるやつです。
「間違って、ここを突き抜けちゃったりすると、こうなっちゃう、」みたいな、まあ想像してください。

さて、それから手術のために血液検査、心電図、などの試験をしなければいけません。
これは私の友人であるホームドクターのところでやるのですが、彼女に電話した時はもう、すっかり元気のない私です。

「ねえねえ、こういう経緯でオペするんだけれど、もう心配で心配でたまんないわ!」

という私に、「カッカッカ」と笑って、「そんなもん、なんでもないわ。アホみたいに簡単な手術よ。あっという間に終わるし、悪性なんてほとんどないわよ」

私の生徒さんにもお医者さんはいるのですが、その人たちも「なんでもない、たいした事ない!」
と言うので、少し気が軽くなったり、「ほんとかよ〜〜、医者っていい加減なんじゃないか」と疑ったりもう、心はうつろ状態でした。

そうかと思うと、医者である友人は「医者だって人間だから間違いとかよくやるわよ!それ普通!」とかもいうしもう、心は乱れる乱れる。。。。

そんなこんなで、検査を受けたのですが、まあ、これが健康そのもの。
コレステロールは高いけれど、血糖値は低いし、心拍数はアスリートのようだそう。
「あなた、これなら110歳くらいまでいけるんじゃない?」という友人。。。嬉しいけれど、私は手術が不安だ。。。。

この結果を持って、次は病院の麻酔科の先生たちとのミーティングに参加しなければいけません。
ここまでまた1ヶ月くらい待ちました。本当に、重篤な病気だったらどうするんだよ、と思うほどゆっくりのアポイントです。

ザルツブルクのマスタークラスが終わって、病院の麻酔科先生とのアポへ行きました。

検診の結果を持って、山ほどあるチェックリストを記入して(アレルギーがあるとかないとか)部屋に入ると、これまた明るい2人の女医さんが私を迎えてくれました。

検査結果を見て「素晴らしい結果ね。あなた、100歳以上まで生きるんじゃない?」とまた言われたので、「コレステロールが高いんですけど」という私に、またしても「こんなの全然よ!きっとチョコレートが好きなのね。でもぜーんぜん、問題ないわ!」とバッサリ。「そうなんだ・・・・」と私。

麻酔の丁寧な説明を受け、最後には「大丈夫、素晴らしい夢のような世界に私たちが連れていってあげるから!」と保証してくれる先生たちってすごくない?

そのあとはもうスモールトークになっちゃって、「私、実は来年念願の日本旅行をするのよ。でね、」とか言って旅行の話で盛り上がってお別れしました。

あーあ、ここまででこんなに長くなっちゃったので、続きはまた書きます。
音楽に関係無い話ですみません。