ピアノ、ましてやヴァイオリン「楽しく弾けるまでの道のり」は、かなりあるというおはなし

ピアノのお部屋

ウィーン(というか欧州全般にわたって)の新学期は9月。
よって多くの教師にとって、新生徒さんの来る割合は秋に集中している、といっても過言ではありません。そこでいつものアルアル話なのですが、これは多分世界共通のアルアルだと思います。音楽を専門にしていない親御さんの口から出る言葉、

「将来、楽しく弾けるようにさせたいのです。別にピアニストに(ヴァイオリニストに)させたい訳じゃありません!」

この「将来設定」が10年後、とかなら良いのですが、親御さんにとっては「数ヶ月後」「1年後」だったりするので、初めにきちんと説明しないと大きな誤解を生み、双方ともにめんどくさいことになる、というケースもあるのです。

私は、時に「いろんな楽譜を持ち出してきて、弾き散らかして遊んで『楽しむ』」ということをしますが、これは過去に何万時間、何十年というピアノ練習の経験が人が出来ることで、ピアノを初めて数ヶ月の人が、このように「楽しむ」ことはできません。もちろん、レベルによってその都度「楽しんで弾く・練習する」ということはありますが、親御さんが求めているのは、そういう「楽しい」ではなかったりします。

楽譜を見たら、初見でぺろっと弾けて、そして聴いている人も「おお〜」っと感激してくれる、そういう「楽しい」を想像している場合が100%だったりします。

現実は悲しく、ちょっとやそっとでそんな簡単にできるようにはならないのです。
子供が楽しくピアノを習っているのに、「もっと簡単に弾けるようになるんだ」となんとなく勘違いして信じている親御さんが時に、勝手に楽譜を買ってきて与え、「なんでまだこういうのをカッコよく弾けないの?」と子供に言って、せっかく頑張ってる子供がガッカリ、やる気がなくなっちゃった、なんてことを私も経験したことがあるので、親御さんには初めにきちんと説明するようにしています。

「あなたが想像しているように、あっという間に弾けるようになりません」と。
違う分野のキーボード系であれば、大人が興味を持って必死に学べば恐ろしい進化を遂げることは知っています。でも、クラシックの世界はちょっと違うのです。時間は必要。。。。

ましてやヴァイオリン。ビオラにしてもチェロにしても然り。
あんな音程という恐ろしいものがある楽器を、週に数時間の練習で、将来オケに参加して楽しむ、というのにはかなり無理があります。かなりの練習量と良い教師を見つけなければ、弦楽器はかなりハードルが高いのです。

説明するとわかってくださる親御さんばかりです。
昔はめんどくさがって、それをしなかったばかりに、子供に気の毒な目にあわせてしまったこともあるので、しっかり説明したいと思います。