ピアノでもヴァイオリンでも 初めてのレッスンで必要以上にコワがったり、構えるのはやめましょう。無駄です!

ピアノとヴァイオリン

*写真は滞在先のスイス。自然がいっぱいで平和、お馬さんも幸せそう*

これは日本でのアルアルだと思うのですが、例えば、世に言う「お偉い」先生に初めて演奏を聴いていただく場合、必要以上に緊張したり、構えたりするのはやめませんか?というお話です。

例えば留学先での教授を探していて、その人の前で初めて演奏を聞いてもらう時、マスタークラスで初めてその先生の前で演奏する時、はたまた、ひょんなことで、世間で偉いとされている(というか、自分が思い込んでいる)人の前で演奏する時に「私の演奏がひどくて、その場でクビにされたらどうしよう」とか「ダメ出しばっかりされたらどうしよう」云々。この手の話をもう、嫌というほど聞く機会があります。

「ちょっと待ってよ!」と私は声を大にして言いたいです。

あなたの演奏がどんなにひどくても(すみません!仮定です)相手が常識的な人間であったら、教授であろうがなんであろうが、一見の人間を馬鹿にしたり、けなしたり、侮辱したりなんてしません。そんなことする人は、そうそういませんし、いたとしたら、あなたの演奏が余りに準備不足であったりとか、他に失礼があった場合、もしくはその人がとんでも無い人格の人間である可能性がある、そんな場合だけです。

日本は昭和の「お師匠制度」が根強く、クラシックの世界にもその恐怖感が残っているのかもしれません。扇子を顔に投げつけられるとか、火鉢を投げられるとか、そういう感じ。でも、今は令和なんです。

話はちょっとずれますが、必要以上に初回の演奏(レッスン?)を恐れる、その心の中には「その教授のもとで学んで上達したい」という気持ちよりも「褒められたい」という気持ちが、無意識にあるのだと、私は思います。よくマスタークラスで教授がたくさんストップをかけて指導すると、ありえなく落ち込む学生がいます。「たくさんダメ出しされた、もう絶望」って感じです。

もう、意味がわかりません。もし教授が、「素晴らしい!もう完璧で脱帽です」なんていってくれるんだったら、きっとあなたは素晴らしい完成したソリストなんだから、実力でチャイコフスキーなんて1位を取れちゃって、グラマフォンでCD出して、トップエージェントに入れるだろうし、だいたい、なんで留学なんてするの?って感じじゃありませんか?

話をもどしましょう。何が言いたいかというと、現実的、そして冷静になりましょう、ということです。
誰かに習おうと思う場合、目的は何でしょう?それは、「その人に師事して上手になること」です。だから、初めの顔合わせでは、あちらの意見も大事ですが、習うかわの冷静な判断も必要となってきます。褒めてくれてばっかりで、なんの指導もない場合は、逆に「この人で大丈夫かしら?」と思うくらいでなければダメなのです。相手を初めから神のように妄想して舞い上がるのは無駄なのでやめましょう。あちらは100%、断言して普通の人間ですから。