本番での失敗 舞台の上で失敗してトラウマになったらどうするべき?

音楽留学と演奏生活

※全然関係ない写真で失礼します。ハイナーのマロンケーキです。今年のは、さらに小さくなっているように思います。これは数年前の写真。それでも私は、毎年チャレンジしに行くのです!

さて、本題です。

結論から言います。

死ぬほど練習して、メンタルも鍛えて、舞台で失敗しないで弾けるまでやり切って、リベンジして自信を取り戻す。これ以外に方法はありません。

練習不足で失敗したのなら、それはもう明らかに「練習あるのみ」です。

でも、厄介なのは「ちゃんと練習したはずなのに、なぜか舞台で失敗してしまう」というケース。舞台には魔物がいる、というのは本当で、普段一度も失敗しなかった場所で、なぜか突然やらかしてしまう──そんなこと、実際によくあります。

そういう経験が一度もない人はラッキーですが、それがいつ訪れるかは誰にもわかりません。

ムスメのことを書くと怒られそうですが、少しだけ。彼女が10代の頃、イタリアのあるマスタークラスのコンサートで、まさにそういうことが起きました。とても真面目に練習していたにもかかわらず、ある日突然、普段なら絶対に失敗しないようなところで変なことをしてしまったのです。

一度そういうことが起こると、本人は深く悩みます。周囲が気づかないようなミスでも、本人には大問題。「間違えちゃいけない」と思うからこそ、悩むのです。ましてその後に控えていたのがコンクールだったりしたら、なおさらです。

でも、そのときの教授が素晴らしかった。ムスメが希望すると、翌日から毎日コンサートで弾かせてくれたのです。失敗した曲に加え、毎回違うプログラム。まるでマゾヒズムのようですが、怖くて楽屋では泣いていたのに、彼女は10日間連続で舞台に立ちました。

そのマスタークラスでは、やる気があれば(教授によりますが)毎日でも演奏させてもらえる環境があり、本当に恵まれていました。

最初の3日間は不安と恐怖でいっぱい。でも4日目、5日目と進むうちに、徐々に調子を取り戻し、最後の大きなコンサートでは心から楽しく演奏できたのです。まさに、ほっと一息──やれやれ。

もしあの時、最初の失敗で落ち込んで引きこもっていたら、数ヶ月は立ち直れなかったかもしれません。

だからこそ、私が伝えたいのは──

舞台での失敗や恐怖を経験したら、できるだけ早く「やり直す」こと。

人前での暗譜に失敗し、それ以来楽譜なしでは弾けなくなった人を何人か知っています。でも、チャレンジを続けなければ、乗り越えることはできません。

若ければ、絶対に乗り越えられます。だから、勇気を持って、一歩踏み出しましょう。