昨日の続き ピアノやヴァイオリン、暗譜の必勝法とは?やってはいけないこととは?

ピアノとヴァイオリン

昨日は、初対面のロシア人のマスタークラスで、譜面台を立てるなんてあり得ない、というお話をしました。
そうすると出てくるのは、暗譜の必勝法は?という問題が出てきます。

これについてはインターネットでゴマンと同じようなことが書かれているので、ここであえて書くのも、と思いますが、書いてみると(笑)まず、絶対ダメな方法とは、ダラダラと始めから終わりまで、ひたすら何回も弾く、です。
これは体力と時間の無駄です。これをやって良い人は、ある程度完璧に弾けていて、一日の終わりにコンチェルトを全楽章、通して弾いてみる、みたいな時のみです。ろくに弾けていないのに、この方法で暗譜しようとすると、これは博打を打っているのと同じです。偶然出来る事があっても、意味がありません。本番でぶっ飛ぶ可能性は大きいです。

まずは、楽器は付け焼き刃では成り立たない、ということを受け入れましょう。
魔法はありません。こればっかりは毎日の積み重ねです。極端なことを言ったらもう、子供の時からの習慣です。
それでも、タイムマシンに乗って帰ることはできないので、できることからやります。

譜読みの段階から、目は仕上げの暗譜に向かっていることをお勧めします。「どうせ趣味だから暗譜なんていいや〜」なんて思ってはいけません。あなたの可能性はもっとあるのです。

数小節から始めます。フレーズの区切りの良いところで切ります。左右別々に練習するのは当たり前のこと(ピアノの場合は)自分に合った指使いを見つけたら、ちょこちょこ変えずにそれを暗記する習慣を絶対につけましょう。

もちろん覚えるテンポは亀のテンポです。まるでスローモーションを見るように、指、手、腕、背中からの感覚を感じてみましょう。
初めからペダルもつけます。ゆっくりだからといって、ペダルを変えてはいけません。あくまでスローモーションは仕上がりの時のスローモーションでなければいけないのです。そしてだんだんテンポに持っていきます。

精神集中です。これが何よりも大切。覚える努力をしましょう。
そして自分の目で、鍵盤に置かれている手の形、感触を意識します。極端な話、右の和音の構成が、D Fir A C だったら、あら、この場所は白・黒・白・白、だね〜、なんてのも記憶に焼き付けるヒントになります。右脳と左脳で覚えます。

これらは、どの言語で検索しても出てくるヒントです。
左右別々に暗譜、短い小節単位で暗譜、身体で覚える、指使いは変えない、云々。。。。。

そして曲全体が暗譜できたな、と思ったら録画か録音を取ることです。何回も。本番まで毎日やります。
上記のことをきちっとやっていれば、暗譜が不確かな部分は数カ所のみで、それなりに理由があるはずです。そこを集中的に具体的に頭に入れます。指の動きを言葉で説明できるくらいにします。これらの練習は電車に乗っている時でも頭の中でやることができます。確認したかったら携帯に楽譜のファイルを入れて置けばいつでも確認できるので安心です。

この努力があって、初めて無駄な緊張もしなくなるはずです。
簡単じゃないですよね〜〜〜〜〜!!!
魔法のような必勝法なんてありません。無駄な練習法はやめて、できるだけ無駄なく暗譜できますように!