ウィーン9区で起きた話 プチ犯罪?犯人はだれだと思いますか????

オーストリア・ウィーン情報

さて、またまたピアノと関係ないお話で申し訳ありません。
少し迷ったのですが、ひょっとしたら、外国に住む人や旅行で来る女性の役に立つのではないかと思い、やっぱり書くことにしました。

ご存知の通り、私と娘はスイスでマスタークラスを終え、昨日帰国しました。

チューリッヒから数時間かけて、ウィーンの、ハウプト・バーンホーフという駅に着きました。それぞれ小さいトランクを持ち、娘はヴァイオリンを背負って歩いています。汽車を降りた後、娘は私と離れて歩いていました。
そしてエレベーターのところで合流し、市電の停留所まで歩いて行きました。その感、無人でした。

ハウプト・バーンホーフの停留所には人がとても少なく、市電の中はまるで貸切のようでした。
オペラ座からは数人、乗車してきたのですが、本当にチラホラ、という感じ。だいたい夜の7時前くらいでした。

さて、自宅近くの駅に到着しました。そこはウィーン9区。
2人でそれぞれのトランクを持ち、下車、私はそこでリュックサック型のバックを背負いました。

横断歩道を渡って、数歩あるくと、後ろから声がしました。

「ちょっと待って、あなたの後ろに何かついていますよ!!!」

振り向くと、ひとりの男性がいました。身につけているものもきちんとしているし、紳士という印象です。
私たちを観光客とでも思ったのか、英語で話しかけています。

娘が、「いやだ、ママ、なんかついてるよ!」確かに肌色の液体が私の背後に付着しています。
私たちはプチパニック。「何これ!誰がこんなことしたのかしら?ひどい悪戯だわ!許せない〜〜〜!!!」なんて騒ぎながら、娘の背中を見ると、彼女の背中にも同じような液体がついています。うちで検証した結果、これはBBクリームのようなファンデーションでした。

その男性、「ああ、大変だ、これを使ってください」と言ってティッシュペーパーを私たちに差し出してくれました。
「私のコート、毛皮に見えるけど、フェイクファーなのよ。毛皮だと思ってやられたのかしら???」と言って騒ぐ私。
でも娘の背中にも掛けられているので、別に動物愛護者の仕業でもなさそうです。

その紳士は、「大丈夫ですか?」なんて心配してくれたのですが、「大丈夫大丈夫、うち、近くですから、どうもありがとう」なんて言って、私たちは帰宅し、ギャーギャー文句を言いながら、それぞれのコートについたBBクリームらしき安物のファンデーションを落とすことに必死でした。

ちょうど、私の誕生日だったので、ことを大きくしたくない娘は、「いいよ、こんなこと良くあることだよ」なんて言っていたのですが、考えれば考えるほど、疑問です。

だってね、どう考えても地元の駅を降りるまで、誰も私たちにそのクリームをかけるチャンスなんてなかったはずなのです。
付着しているその様子を見たら、私のリュックサックは汚れていない。もし、市電に乗る前に掛けられているのなら、背中はべっちょりになっているはず、それなのに、よく見ると、「今、付けられた感」ハンパないのです。

「ねえ、あの男の人が自分でつけて、私たちに声をかけたんじゃないの?」と私がいうと、もう、この件を忘れたい娘は「なんのためよ!もういいよ、大丈夫だから、クリーニングに出せば落ちるし!」とかいう。それでも納得のいかない私。

だって、おかしくない?彼は私たちに「背中に何かがついていますよ」と声をかけたと同時に、手にティッシュペーパーを持って私に差し出したのです。あまりにタイミング、良すぎない?怪しい、と思う私。

娘は帰宅後、すぐにフィットネスセンターに行ったのですが、私に電話がかかりました。
「ママ、やっぱりおかしいよ。だってね、ママは興奮して聞いてなかったと思うけれどあの人、『僕のうちは近くなんです、そこで落としましょうか?』って言ったのよ。それ、ある?」

もう鉄板でこの男、犯人だと思いませんか?????みなさん、どう思います?
私はもう、好奇心の塊で、すぐに9区の警察に電話し、すべてを話しました。

「今まで、こういう感じの件で被害届とか出てませんか?」と聞くと、出ていないそう。でもね、うちは2人だったから物もとられなかったし、家にも連れ込まれなかったけれど、これが何も知らない旅行者の女性だったら、フラフラついていった可能性だってあります。これは危険です。今後、この人は犯罪を犯すかもしれません。

そして、何よりも許せないのは、その男性、本当に紳士で身なりもきちんとしていて、「子供がインターナショナルスクールに通っています」と言われても、全く疑いのないような外見だったのです。怖くないですか?思い返すと、アラブ系の白人です。
若い女性の皆さん、どうか気をつけてください。この素晴らしく平和なウィーン9区にこんなことが起きるなんて、どびっくりです。

しかし、私たち2人にファンデーションをぶっかけて、助けるふりをして家に連れ込んで、何をする気だったの?たぶん初めは旅行者だと思ったのでしょうが、すっとこどっこい、住人ですよ!
考えれば考えるほど変な事件でした。てかクリーニング代返せ!!!!

とにかくみなさん、どんな平和そうなところでも、変態野郎はいると思うので、どうぞ気をつけてください。
明日はピアノかヴァイオリンの話を書きます!