ドレミを楽譜に書かなくてすむ方法 とにかく訓練、その場で覚えて出来ちゃう方法を書く前にどびっくりの生徒の話

ピアノとヴァイオリン

*今日の写真は後ろから見たムジークフェライン、ウィーンの楽友協会です*

よく、ピアノの先生が、生徒さんが楽譜に「ドレミ」の音名を書き込んでいて、それを嘆いたりしているのを見るのですが、私にもあります。その経験。

ある程度ピアノを習っているティーンエイジャーのお上品なお嬢ちゃまで、私の初めてのレッスンに持ってきた曲が、みんなの愛するショパンの前奏曲から「雨だれ」恥ずかしそうに、「暗譜、自信がないんだけれど…」と言いながら、渡された楽譜を見て私は目が点、あの衝撃は今も忘れることができません。

楽譜にびっしりと、「ドレミ」ではなく、ドイツ音名で「C・D・E」が書き込まれているではないですか。みなさん、カタカナで「ド」とか「レ」とか書いてあるなんて、ハッキリ言ってカワイイもんです。

きっとご覧になった方は少ないと思いますが、想像してみてください。
ほぼ全ての音符に「ドイツ語音名」でびっしりと書き込まれている、その楽譜を。本当にもう、写真に撮っておけばよかった、と思います。

ショパンの雨だれはご存知の通り、Des-Durでフラットが5つつきます。
ピアノの先生なら例外なくお分かりいただけると思いますが、「シ・ミ・ラ・レ・ソ」全てにフラット(♭)がつくと、それは「B・Es・As・Des・Ges」となり、読んでみると、「ベー・エス・アス・デス・ゲス」となります(改めてドイツ語の発音って、なんかすごいですよね)

付加線の沢山付くような高音の右手や左手ならまだしも、左手の和音のほとんどに、このドイツ語が鉛筆で書かれていることを想像してみてください。和音なんて、でっかく「B・Des・F」とかご丁寧に重ねて書いてあるの。もう、気絶ものです。

「ねえねえ、どうして書くの?なんで、なんで?これだと、おたまじゃくし、いらないじゃない?五線紙の上でドイツ音名しか見えなくなっちゃってて、これでよく弾けるわねえ!もう、そっちの方が感心しちゃうよ!!!」ともう、本当に呆れるやら感心するやらで驚いたのですが、彼女曰く、

「前の先生が、書いてもいいわよ、っていったから書く癖がついちゃって、もう書かないと楽譜が読めないの…」というではないですか。

それはキミ、あなたは楽譜を読んでいるのではない、ドイツ語音名を見て、頭の中で鍵盤に変換して、すごい遠回りの技を使ってピアノを弾いているのだよ、と思いました。楽譜を発明した人が気の毒すぎる。。。。

ここまで徹底して成長してしまうと、楽譜を読ませる、ということは本当に大変です。
本人にかなりのやる気がない場合、まず不可能です。しかしまあ、なんでこんなふうに教えちゃったのか、これはもう罪としか言いようがありません。ショック。。。。。。

次回は、はじめっから、可愛いキャラクターやぬいぐるみ、可愛いグッツやシールもいっさい使わず、ただただシンプルに初心者に楽譜を教え込む私のやり方をご紹介します。

しかし、本当に当時は驚きました〜〜〜。