ピアノやヴァイオリンの本番にそなえて、本番が近くなってきたら、やるべき事とやるべきでない事について私見です

ピアノとヴァイオリン

本番に備えて、みなさん、ご自分のルーチンを決めていらっしゃると思います。
例えば、本番の時間に合わせて、その時間に一番良いパフォーマンスができるように、生活リズムを合わせる、とか瞑想や呼吸法、マインドフルネスを実行して心を落ち着かせる、とか食事に気をつける、風邪や怪我をしないように特に気をつける、などです。

本番前の準備として、いろいろな方法や、やり方をネットで見かけます。そして、これは危険だなあ、私ならやらない、娘にもやらせない、思うことがいくつかあったのでそのひとつを書いてみます。やりたい人はどうぞやってください。これはあくまで私の意見です。

それは、ウォーミングアップができていない状態で、いきなり通して演奏すること、です。
これは、ウォーミングアップができない状態でも、舞い上がらずに落ち着いて演奏するための訓練、としてやる人がいらっしゃるようですが、私が思うに危険です。こちらの先生方も薦めない、訓練方法です。なぜなら、そんなことをして大切な本番前に筋を痛めたり、事故にあったらもともこもないからです。本番に弾けなくなったら元も子もないと思いませんか?

寒い外から部屋に入り、ウォーミングアップなしにブラームスのコンチェルトをいきなり全楽章とおして弾く訓練、そんなの想像しただけで腱を切りそうです。お勧めしません。

それより大切なことは、本番前に音が出せない場合、実際に楽器が触れない場合、どんなに狭い場所であっても、身体を温める準備ができるように訓練する方が大切です。こちらでは演奏前に人目を気にする人はいません。それぞれ自分のストレッチや呼吸法を精神統一して行っています。これを集中してできる習慣を身につける方がずっと大切だと思います。

ピアノの場合は、椅子を低くしたり、高くしたりして弾いてみる、とかは私もやりました。わざとハンドクリームを塗った手で滑らなかったら、素晴らしいとか、本当に馬鹿みたいですが、やった覚えはたくさんあります。

でもね、起こりうるすべての状況を改善できる行動力をつける、という方が大切なのだということもわかってきました。大切な本番前には全てを確認しておく、ということです。そしてそれがうまくいかなかった場合は、それを改善する術を身につけておくことです。低すぎる椅子でもいいや、がまんがまん、と頑張って、最高のパフォーマンスをしよう!と低い椅子で訓練するのも良いですが、きちんとした椅子を用意させる術を身につけることも大切です。どんな本番の時でも、恥ずかしがったり、引っ込み時間になったり、受け身ではなく行動的になれるようにしましょう。そうしたら余計な訓練の必要はぐっと減るはずです。