ピアノ教室やコンクールにおける子供の顔出し、肖像権等ウィーンでの子供の守られ方について

ピアノとヴァイオリン

本日はネットでの個人情報についてちょっと書いてみます。

以前流行ったクラブハウスで、この話題がよく持ち上がりました。
日本では生徒さんの写真やビデオ、コンクールなどのYouTubeで本名、学校名などが出てしまうと「ストーカー被害」や、「他の親御さんからの意地悪」
などの被害が起きる場合があるそうです。その時は「日本ってコワイ!」と驚来ました。

こちらでは、例えば国内コンクールのプログラム等に「子供の本名、師事する教師、所属する音楽機関の名前」など、普通に記載されます。国際コンクールも氏名、写真がウェブサイトに公表されます。それが嫌ならコンクールに出ること自体をやめなければいけないので、そこは日本と違うので興味深いと思いました。

欧州でコンクールのプログラムに写真や名前が出たせいで「ストーカー被害」にあう、なんてことはちょっと想像できません。あるのかもしれないのですが、これは日本の方が多いのかもしれません。

そう書くと、欧州では緩いのかしら?と思われるのかもしれませんが、守られるべきところで子供たちは非常に守られています。

まず第一に「学校」

インターナショナルスクールやアメリカンスクールなど要人の子供たちが通うような学校のセキュリティは特に厳しいです。私の子供たちが通った、リセ・フランセでも、小学生や幼稚部のお迎えは登録された、限られた人しかすることができませんでした。誰でも校舎内に入れるわけではないのです。正門を超えて入ろうとすると、

「あなたは誰ですか?」

と厳しい身分証明チェックが入ります。てか、入れません。

なぜかというと、怖いのはストーカーなんて変態じみたものではなく、ガチな「誘拐」や「テロ行為」などだからです。政治情勢によっては、特定の国の子供達が危険にさらされる場合もあるからです。

日本では個人の音楽教室などで生徒さんの写真やビデオを掲載していて、たとえ親御さんがOKを出していても「それは危ないのではないか」という話がクラブハウスで出たことがありました。何か事件があったり、訴えられたりしたら怖い、というお話でした。

私からしてみると、自分のウェブサイトに「生徒の顔出し」なんて上記の理由から想像できません。起こり得る危険を考えると、気軽に「載せていいかしら?」なんて聞けません。その子が「本気組」で今からでも世に売り出そう、なんて路線なら全然別ですが、ただの趣味の子供をネットに晒す意味はないと考えるからです。あ、ここ、欧州での話です。私がいるのはウィーンで、日本ではありません。

私の知る限りで書きますと、子供向け(でなくても)の音楽関係の夏期講習やコーラスのイベント参加など、事前に親御さん、成人であれば本人に、簡単な契約書にサインをもらいます。

「子供の写真を講習会のウェブサイトに載せることを許可する」とか「許可しない」等々です。

これにサインを貰えば、主催者にとっては、後から問題が起きることもありません。演奏や写像を主催するウェブサイトに堂々と載せることができます。ただ面倒なのは、後から「削除して!」とお願いしても、なかなか消してもらえないことはありますが。

サインするかどうか、親に一任されるので、そこで親御さんも考える機会を与えられます。欧州は日本よりも肖像権については普通にドライに行われていて合理的かもしれませんね。

こちらはご参考に!!!