クラシックのピアノを学ぶにおいて、電子ピアノの絶対的な弱点とは ダイナミクスが実現できないということ

ピアノのお部屋

「ダイナミクス」と書きましたが、簡単に言えば「強弱」の事です。
私のところには、そういう電子ピアノを持っている生徒さんがいないので、「ああ、そういえば」、と今さら驚いた事実です。そうなんです、安値の電子ピアノとは、押すと「ブー」っと音が出て、その音の大きさは、タッチに関係なくいつも同じ音の大きさが出るのです。

そんなことに気がついたのは、先週の大人の生徒さんの話でした。

彼女はご主人の仕事で引っ越しが多く、初めは本当に安い電子ピアノを使っていたそうです。そして、モーツァルテウムのピアノ科の大学院生にピアノを習い始めて、「ほら、ここはもっとダイナミクスをつけて!」と何万回も言われたそうで、(ドイツ語だとディナミクスっていいます)「はい?ダイナミクスとはなんぞや?」と尋ねると「ピアノとかフォルテの強弱のことですよ」と言われて、「はて?」と考え込んだそうです。

「いやだ、私のうちの電子ピアノは弱く触っても、強く叩いても、いつも同じ音が出るんだわ!」と気がついたそうです。

絶望する彼女に、優しいご主人はもっとランクの上の、きちんと強弱の出る電子ピアノをプレゼントしてくれたそうで(当時私に知り合っていれば本当のピアノを薦めたのに〜!)よかったよかった、という話なのですが、強弱の表現できない楽器で「クラシックのピアノ」を習うのは、かなりハードルが高いです。
キーボードとか他の分野なら全く関係ないと思いますが、クラシックピアノはやっぱりきつい。

経済的な事情や色々なハードルがあると思いますが、電子を選ばなければいけない場合、もしクラシックの曲を楽しみたいのであれば初めからせめて、強弱のつけられるレベルの電子を用意することをお勧めします。というか、買う前に先生に相談するべきです。特に大人に多いですが、誰にも相談せずに、インターネットで注文して買ってしまう、というケースはかなり残念です。電子でも安い買い物ではないと思うので、何もわからない場合は、自分で決めないことを強くお勧めしたいです。