楽譜談義、「本気組」の楽譜は一体どうなっているのでしょう? 書き込みあれこれ

ヴァイオリンのお部屋

*写真はムスメの昔懐かしの楽譜拡大コピー。分数ヴァイオリンだったので、弓もすべて分数用なので今は通用しませんが、良い思い出です

昨日は私の酷く色塗られたブルグミュラーに、沢山のご意見をいただいてありがとうございました。
どの先生も、きちんとしておられて、特例を除き(生徒が本当に覚えなくて、生徒の了解済みで書く)2度と消すことのできないような色鉛筆やマジックで書き込む方はいらっしゃらないようでした。素晴らしい!

さて、今日は、この楽譜談義で、が小さい頃習っていたウクライナの教授のヴァイオリン・レッスンを思い出したので書いてみます。

その教授は当時、子供を教えることについてはもう、間違えなくオーストリア1番といって良い実力の方でした。本当に素晴らしい先生で、彼女に習った人は、ごく少しの例外を除き、殆どが巨匠クラスの教授に引き続き師事し、多くの場で活躍しています。ソリストもいれば、ウィーンフィルにも、幼少、彼女に習った団員が私の知るだけでも6人くらいいます。

さて、レッスンの時の流れはとても無駄がなく、時間的に効率が良かったので書いてみます。

まず、私(親)は先生の横に座ります。子供はピアノの前でヴァイオリンを弾きます。譜面台は立てていますが、まあ、大抵は暗譜です。弓使い、指使い、その他注意を先生がするのですが、その全てを、親がすごい勢いで楽譜に書き込んでいきます。横に座る先生は、それをたまにチラ見してチェックして、違ったりすると「違う〜〜〜!!!」と言って親が怒られます(笑)

彼女は録画を許さなかったので、この作業は大変大事な物でした。

彼女の門下に入る条件は、親が全面協力すること(レッスンに同伴、毎日数時間(具体的に書かないけど)絶対に親と一緒に練習すること、など)だったので、音楽のわからない親御さんにはちょっと無理な世界でした。それでも子供の為に努力して、楽譜が読めるようになってしまった親御さんもいらっしゃいます。

例えば、先生によってはレッスン中に指使いを考えたり、書き込んだり、書き込ませたりだけで1時間使う人がいますが、娘の教授は、本当に「教える天才」みたいな方だったので、親も子も、もう、1分でも惜しい、書いている暇があったら次のフレーズを教えて!みたいな感じでした。無駄な時間のない、ありがたい時間だったことを思い出します。

ロシア・ウクライナ・ユダヤ系門下のアルアルですが、最終的にコピー譜は6部位になったりします。(なぜコピーか、いちいちオリジナルの楽譜なんて買っていたら破産するからです。個人使用なのでそこは突っ込まないでください。今はiPadで出来るので素晴らしいです)コンクールに弾く曲となると、それ以上が別に当たり前だったりします。子供の時は、普通のA4サイズだと、書き込みきれないので、うちはA3サイズに拡大コピーして、厚紙に貼り付けていました。今、相当量のコピーがありますが、もう、ありがたすぎて捨てられません。

これは大人になった今も引き継がれていて、娘の楽譜は常に多くの書き込みでいっぱいの状態です。レッスンで教授に言われたことや、自分でのメモも書き込むし、違う教授に同じ曲を習うときは、全く違う楽譜を用意します。

ここまで書くと想像していただけると思いますが、楽譜は非常に個人的な財産です。独自の指使いやフレージングの扱い方、細かいニュアンスが書かれています。だから、「○○の楽譜のコピーを頂戴」なんて言われても、同門下でもない人に頼むのはちょっと、ということになります。

話はそれましたが、子供の時の細かいきちんとした指導は本気組には絶対に欠かせません。そうやって指導して下さった教授にはどんなに感謝しても感謝しきれません。それがすべてこの「楽譜」に凝縮されています。