ウィーンのオルフェウス・インターナショナル・ミュージック・アカデミー、カメラマン・ガジローさんのお話

ヴァイオリン塾

*オープニングコンサートでピアニストの宮本千津先生と一緒に*
ウィーンでは毎年、夏にオルフェウスのインターナショナル・ミュージック・アカデミーというものが開催されます。ヴァイオリン・チェロ・フルートなどなどのマスタークラスと毎日コンサート、というプログラムです。発起人はウィーン国立音楽大学の名誉教授であるミヒャエル・フリッシェンシュラーガー氏で、彼の元からは多くの素晴らしい音楽家が育っています。

娘のリザ・マリアも10年以上前から教授にお世話になっていて、今年も参加させていただきました。今年は教授のアシスタントという名誉なおまけ付きです。
自分がレッスンを受けて、そしてレッスンもして、夜はコンサートというハードなスケジュールでしたが、このコロナ禍、こうして行動できることは本当にありがたいです。
来年は通常通り、日本からの参加者も増えると良いですね。

さてさて、今年何よりもバズってしまったのが、音楽祭専属のカメラマンです。
彼の見た目が誰かに似ていて、とても気になっていたのですが、娘の演奏中に「はっ!」と気がつきました。

昭和の方はすぐにピンと来ると思いますが、あの有名な佐藤蛾次郎さんです。彼に本当にくりそつ。。。私はカメラマンにそれ以来「ガジローさん」というあだ名をつけて、心の中で呼んでいたのですが、このガジローさん、本当にあり得ないのです。

ソリストが演奏を始めると、カメラを構えて、撮る、撮る、撮る。
しかもその「カシャカシャカシャカシャ」という連続音は半端じゃありません。右から撮った、と思うと、次は演奏者の40センチくらいまん前に現れ、かがんでシャッターチャンスを狙います。そしてまた「カシャカシャカシャカシャ」というシャッター音。
次はご丁寧に左に回って、「カシャカシャカシャカシャカシャ」です。

この人、いったい何してるんだろう、と録画を撮りながら私はもう、気になって仕方がありません。あまりの音に前の方に座っている人たちはあからさまに嫌な顔をして、彼を見つめていたのですが、そんなのガジローさんは、ぜーんぜん気にしません。ひたすら、撮る、撮る。

もう、私は途中からおかしくなっちゃって、笑いだしそうになるのを必死でこらえていました。右の方からぐるっと、舞台に上がってピアニストを撮ろうとした時は、私だったら本当に驚いて「キャー」とか言っちゃうだろうな、と思いました。演奏中にいきなりガジローさんの顔がにょっと飛び出すことを想像してみてください。

うちの娘曰く、「こんなことで演奏がブレるのではプロとは言えない」なんて言っていましたが、私だったら無理ですね。舞台の上で爆笑しちゃうか「向こう行って!」とか言っちゃいそうです。

こちらは横顔ショット。

こんなのもう、すっごい接近して撮ってます。

こんなのユニークですよね。私が左端に写っています。

しかしこのガジローさん、腕は確かなようです。演奏に集中できなかった奏者も、これなら許す!と言っていたのが印象的でした。ガジローさん、素敵な写真をありがとう!