ピアノのレッスン 大人が自分の意思で興味を持って始めると、「本当に頭に良い」というお話。

ピアノとヴァイオリン

昨日は、子供がピアノをやったら、頭が良くなるのか?というお話について触れましたが、「それはどうも疑問」という私の見解でした。さて、今日は「自分が興味を持って、自分の意志でピアノを初め、喜びを考えると、絶対に頭に良いぞ!」ことについて書きたいと思います。

以前、私の大人の生徒さん(アマチュア初心者)が面白いことをおっしゃいました。彼女はレッスンを初めてまだ数回の初心者でした。

当時、レッスンでやっていたのは、
ソルフェージュを兼ねて、指のトレーニングの為に

1. 指くぐりのない5本の指のエチュード(コルトーのメソッドから)
*ご参考にコルトーの楽譜はこちら*

大譜表で超簡単な曲の集まった、2. 大人用の初心者用の教材、
こちらはオーストリアの教材なので残念ながら日本のアマゾンにはありませんでした。

そして、美しいメロディーで楽しく音楽的なテクニックをつけるため、

3. ギロックのサラバンド、もうこれは今現在、日本でも超有名になっているようです。
*ギロックの響きは美しいのでハートを鷲掴みします。超おすすめの教材です*

などなど。簡単なスケールも入ります。

時間の無駄なく、ある程度の到達点に達することができるように、練習の仕方などを一緒に実践しています。

最近、ピアノを購入したので練習にさらに熱が入り、サラバンドの左手は手首を柔軟にして、リズムを正しく、しかし心地よい伴奏が出来るようになってるし、右手も、これまたいい感じでレガート奏法ができてきています。レッスンはじめてまだ数回目です!やる気があると、その進歩は素晴らしいものがあります。

その彼女が、

「これ、やってみたの。聞いてくださる?」

と言い、大譜表に書かれた両手の簡単な曲(私にとっては!)を両手でいきなり弾き始めました。
途中、「ああ〜〜〜!」とか「うっ!!!」とか言いながらも最後までなんとか弾きました。

「毎回言うように、はじめっから一緒に弾くと時間の無駄だから、左右別に練習したほうが仕上がりが断然早いのよ〜。別々にやりましょうよ〜!」というと、

「わかってるのよ。でもね、いきなり一緒に弾くと、ゲームをやっているみたいでスリリングで楽しいの!!!」と彼女。

両手でいっぺんに弾き始め、「次の音は左はこれ、右はこれ、間違えないでここまで弾けた〜〜〜!」みたいにやると、楽しいらしい。早く曲を完成させることが目的ではなく、その場でできるかどうかを楽しみたいのです。う〜ん、頭のいい人の考えることは面白い。

しばらく考えてみて、

「OK、あなたの興味があるのであれば、『初見の練習』として別にやりましょう!でも条件は『全て同じエスカルゴのテンポで弾く』ことね。テンポがめちゃめちゃになるのなら、ダメよ。」と提案しました。

条件付きに毎回のプログラムに『初見練習』を付け加え、このゲームを楽しんでもらうことにしました。

本当にクリエイティヴな人がいるものです。大人の、特に初心者の方からは、こちらが習うことも多いです。

何度も書きますが、大人の方が興味を持って、自分の意志でピアノをはじめると、良い効果がたくさんあります。やりたいな、でもどうしよう、と悩んでいらっしゃる方がいたら、思い切って初めてみることをおすすめします。そして自己流、独学ではなく、きちんとした先生を探して始めてください。素敵で楽しいピアノ人生が始まりますから。