ピアノでもヴァイオリンでもなんでもいいんだけれど「プロフェッショナルにやってる」ってどういう意味?

音楽留学のために

ムスメが昔お世話になったウィーンの音大予備科(当時は19歳以下は全部予備科だった)のウクライナ出身の教授はとても優秀で子供達はみんな立派に演奏していました。

その中の子供達がよく言っていた表現に
「ああ、あの人(子)はプロフェッショナルに勉強してるから」みたいなものがありました。
「だからそこら辺のレベルじゃなくて、上手。きちんとしている。」といいたい訳ですが、具体的にどうなのかをちょっと書いてみたいと思います。

多くの人はピアノでもヴァイオリンでも、バーっと譜読みをして、難しいところは部分練習をし、そして暗譜をして、なんとなく感情をつけて演奏し、間違えないで最後まで弾けたらOK、はい、この曲は終わりです。次の曲!となるのですが、これはプロフェショナルかというと、この子たちに言わせると、違うのです。

その門下では、「1時間のレッスンで3小節をマスターする」なんてことは普通にありました。
全てにおいてそうではありませんが、ひとつ事を完璧に習得するためにはそのくらいの指導が必要だということです。

私の知るヴァイオリニストは「バッハの1番のアダージョ、初めから説明して」というと、「初めは弓のどこどこから始めて、次の主メロディーではこうして、その次はどうで」と初めから終わりまで全て説明できます。自分が、どの箇所で何をどういうふうに演奏し、表現するか、が全て具体的に述べることができる。

しかし、舞台の上ではそんなことを全く考えません。ただただ、集中して弾くのみです。そこで日頃以上の成果が現れることも、もちろん起きます。

ここまで出来ていれば無駄に「上がる」なんてことはありません。
ハジからハジまでさらい倒されているのです。これがプロフェッショナル。当時のそこの子供達は体験からわかっていました。

今回のマスタークラスでよく見かけたのは、教授が、

「この箇所の音楽表現はなんと記載されているか覚えていますか?」と学生に聞いた時に?????となる学生のなんと多かったことか。。。。

これは、ちょっとまずいです。
楽譜上の作曲家によって書かれたディナミクス(フォルテとかピアノとかね)やmolto espressivoなんて書かれている所を覚えていないのは、アウトです。

教授曰く、「プロフェッショナルな学習をしていないね」ということになるのです。

こういう話を私の生徒さんにすると「だからピアニストやヴァイオリニストは1日に何時間も練習するのね、よくわかるわ。私には無理!趣味で充分」となる訳ですが、これが違いなのです。

舞台で立派に演奏したい、演奏家としてきちんとやりたい、と思ったらこれは普通にやらなければならなければいけない事です。これがプロフェッショナルな練習と姿勢。

でもね、それでも魔物はやってきて、本番で今まで間違えなかった箇所でミスったりとかあるのです。
だから、つらつらーと譜読みして、なんとなく暗譜して人前で演奏するなんて、博打みたいで本来はとっても怖いことです。私もプロフェッショナルな日々の練習を心がけたいといつも思っています(と言いながら、遊んで弾いちゃうこと多し!!!)