先日も書きましたが、オーストリアの夏休みは長いです。
ウィーン国立音楽大学は約3ヶ月、学校にもよりますが、小中高校は大体7月〜8月の2ヶ月間が夏休みとなります。
さて、その間、ピアノやヴァイオリンなどのレッスンはどうなっているのでしょう?
街の音楽学校の場合、こちらも夏休みとなります。よって、レッスンなし(笑)
こちらの学校では通常「夏休みの宿題」というものが存在しません。私の子供たちが通っていたリセも勉強では「夏休みの宿題」というものは基本、ありませんでした。バカンスの時期は「勉強しない!!!」が基本です。それでも別にレベルが低いわけでは全くありません。本当に徹底していて感心します。
だから、学業に属さない「楽器のレッスン」が夏に行われるなんて、あり得ない話なのです。しかしながら「お楽しみ」としての講習会が存在することはあります。私も毎年(今年はスケジュールが合わずに断念)子供のヴァイオリンクラスの伴奏をしていました。
そういうものでも、あくまで楽しみのためであって、「練習する!」というハードなものではあってはならないのです。
しかしながら、ソリストを目指すようないわゆる「意識の高い系」の子供たちは、コンスタントにレッスンに通います。学校という縛りがなく、マスターコースに参加できて集中的に練習できるので、夏は実力をアップできる最高の期間です。この人達にとっては(音大生も含むけど)通常よりも忙しい時期になります。
私のピアノの生徒さんたちは趣味の子供達が多いので、通常は例外なく、かなり豪華なバカンスに出かけます。羨ましい〜と毎年指を加えて眺めているのですが、今年はそう言ってもまだコロナ禍、ウィーンに留まる人も半数くらいいます。そうすると暇なので、週に2回通ってくる子も多く、目に見えて上達するのでちょっと嬉しい。
日本の夏休みと、欧州の夏休みは本当に全然違います。日本の人に言うととても驚かれるのですが、こちらでは会社員でも最低でも2週間以上、時には1ヶ月普通に休暇に出かけて働かないのです。年間5週間の休暇をきちんと消化しないといけないので、「頑張って休む」人もいます。
色々な夏休みですが、それぞれの良い充電期間になるといいですね。