写真は本文と関係のない、娘とチェロの巨匠、ヨーヨ・マとのツーショット。随分前の写真。優しい素敵な方です。
さてさて、今日書きますのは、以前、クラブハウスで日本在のピアノの先生と話題に上がった、舞台上でのマナーのお話です。
うちでは、コンサートが近くなると、もしくは小さなコンクールがある場合、舞台袖から出てきて(それはホームコンサートでも同じこと)演奏するまで、きちんと出来るようにしっかり練習します。ある程度仕上がったら、レッスンの終わりに(もしくはレッスンはじめに)部屋の外に出てもらい、ドアの外から登場してもらいます。きちんとピアノの横に立ち止まり、例、そしてゆっくりと椅子に座り、一呼吸して弾き始める。これを絶対にやります。
演奏中は間違えても、絶対にテヘペロ(日本の方に教えてもらった、照れ笑いをして舌を出す)なんて許しません。「は?間違えていませんけれど?」という表情で弾き続ける、もしくはきちんと誤魔化せるように訓練します(間違えないに越したことはないけど)あくまでも、堂々と、姿勢良く、気持ちよく、そして楽しそうに。(というか楽しむことがプライオリティ)
そして入場と同じく大切なのは、弾き終わりです。
音が終わっていないのに、顔だけ会場を向いちゃったり、さっさと立ちあがろうとしたり、もうそんなの絶対にダメです。最後の音の余韻をきちんと自分でも楽しみ、ゆっくりと立ち上がり、拍手喝采を受け、きちんとお辞儀。そしてこちらではもう、絶対マストのカーテンコールに備えます。舞台を後にしてまだ拍手が続く場合、ぐずぐずせずに、サッともう一回舞台に出てお辞儀をする、これはこちらでコンサートをするのであれば絶対にきちんとできなければいけないマナーです。
音大の学生コンサートなんかで良く見るのですが、舞台慣れたした学生は、非常に優れたタイミングで、舞台袖からもう一度サ〜ッと登場してカーテンコールの礼をします。無駄な時間をかけない。
何がダサいって、「ああ、どうしようもう一回舞台に出ようかしら、どうしようかしら?図々しいって思われちゃうかしら?」なんてやってるうちに、お客さんも拍手を続けたら良いのか悪いのかわからずに、尻切れとんぼになる、というものです。これは本当にタイミングが恥ずかしすぎるのでアウトです。留学したら、これだけでも身につけて帰ってほしいものです。すごく素敵になります。
子供のコンサートはどんな出来でも拍手喝采になります。間違えを探そうとか、そう言う雰囲気はこっちの観客にはない発想なので、どんな演奏であろうが、奏者が沢山の拍手をもらって、カーテンコールに出てくるのは当たり前なのです。それがさらっとカッコ良くできるようにしたいです。
発表会、というかコンサートにもいろいろな規模がありますが、どんなものでもきちんとスマートに出来るようになりたいですね。ステージマナーは演奏同様にとても大切です。演奏も、見た目も美しく優雅であれば最高です。