ピアノやヴァイオリン 日本でレッスン中に泣く子が別に珍しくないという件について

ピアノ塾

以前にも書いた話題です。
コロナ禍で爆発的人気となった、クラブハウスで知り合った、ピアノの先生たちから色々な日本のお稽古事情をきいて、それはもう驚いたことのひとつです。
それは「日本の子供が、レッスン中によく泣く」、という事実です。

私は自分の生徒が泣く、ということに遭遇したことがないので、先生方に伺うと「レッスン中に泣く子なんて、結構いるのよ!」とのことで、どびっくり。
「頑張り屋さんだったり、パーフェクト主義の子に多いのではないか」とのことでした。何かができなくて、悔しくて泣く。それが立派だったりするそうです。

私が教えているのはほぼ外人です。日本人のハーフ生徒さんもいますが泣きません。。。(笑)

こちらの子供達は、たぶん私の生徒だけでなく、どの子でも、泣いてしまう前に、「わからない」とか「できない」とか「いやだ」とかの反応します。突然涙をなんて流すことは、私のこの数十年の経験では、一例もありません。私にこんなことが起きたら、ショックでこっちが泣いてしまいそうです。多分、レッスン中に子供が泣いたら、親は次の週からレッスンにもう来させないでしょうし、子供も行きたくない!とはっきりいうと思います。

ただ、完璧主義、というのはわかる気がします。
娘の小学生時の親友は、病的な完璧主義者で、書き取りでクラス1番の成績が取れそうもない、と思うと朝から頭痛と吐き気で登校することができませんでした。20歳を超えた今では、学問とはちがうモデルの世界でイタリア・フランスで活躍しています。

話がそれました。

泣く泣かないにかかわらず、私が唯一、気をつけていることはあります。
ある事を生徒に要求して、3回やらせても出来なかった場合には、アプローチを変えます。
何回何回も、「もう一回、もう一回、ダメ、はい、もう一回」というような事は、絶対にしません。子供が指示通りにできないということは、説明が悪いか、その子に合っていないからです。アプローチを変えてもダメな場合は、レベルを落としてやらせます。できない、と思ったらすぐにあきらめて手を変えるのが得策。何十回も同じことをやらせて、出来なかったら大人だって泣きたくなるでしょう。

うちの娘は5歳からヴァイオリンを習っていたので、その間、多くの子を見てきましたが、レッスン中に泣いていた子はただひとり、「音大教授の親がやらせていて、子供自身が全くヴァイオリンに興味がない」子でした。レッスン中に「レッスンもうやめたい〜」と声をあげて泣くので、親にむりやり頼まれ、その子を教えていた教授は「心からあの子を教えたくないわ」と吐き出していたのを思い出します。(今ではビールをガブ飲みする強い男に育ちました)この子はヴァイオリンが嫌いで、やめたくて泣いていたのですが、やめさせてあげていたら、きっと今はもっと幸せかもとも、ちょっと思います。

かなり上手なティーンエイジャーが反抗期でレッスン中に泣く、というのは数人見たことがありますが、かなり深刻な理由がある場合ばかりでしたから、これは日本のお稽古で子供が泣くという種類とはまた全然違うものです。

そしてある音大生が、某教授に「君が今の練習量を99%増やさない限り、僕は君を次のゼメスタから取らないからね」と言われて泣いていた人を見ましたが、これは自業自得。

考えてみると、私自身、ピアノのレッスンで泣いた覚えがありません。
娘は以前、某教授のレッスンで泣きましたが、それは彼が「家庭に問題があるから音程が悪いのではないか」というパワハラで彼女を侮辱したからです。レッスン中に泣く、というのはそのような個人的な攻撃・侮辱レベルで起きることなので、本当に子供がレッスン中に普通に泣く、ということが、私には未知の世界です。

日本でお稽古中に泣く子供たちはどんな気持ちなのでしょうか?
傷ついたりしているのでしょうか?帰ってから親御さんに「泣いた」って伝えているのでしょうか?それとも「そんなものだ」と自分で思って自分の心の中に納めるのでしょうか?

日本の子供たちは、泣くけれどもひょっとしたら精神的にはすごく強いのか、と、とても不思議に思う私です。