オーストリア・ウィーンに移住して体験したこと/平等でないということの利点

オーストリア・ウィーン情報

オーストリア・ウィーン移住して体験したこと/平等でないということ

昨日は滞在許可申請における私の過去の経験を読んでいただきました。
多くの「わたしも〜!!!」というご意見をいただきました。
本当に、あるあるですね。もっと衝撃的な体験話もいただきました。
恐るべし、昔のウィーンです。

さて、この滞在許可申請で役所に行った人達のほぼ全員、
口を揃えて言うことがあります。
それは、

「役人によって言うことが違う」

ある人はある書類を要求され、ある人は要求されなかった。
ある人は問題なかったのに、ある人はそれがネックになって揉めている、
等々です。

これはどうやらオーストリア(ウィーン)のあるあるのようです。

ドイツやスイスでは、一回「ダメ」と言われたことは
断じて、何があってももう絶対に「ダメ」なのですが
(と、よく聞きます)
オーストリアでは、人によってダメだったり、大丈夫だったり
こういうことがよく起きるようです。

良く言えば、オーストリアは臨機応変で優しい
悪く言えば、不公平。。。。

以前、奨学金のことについても触れましたが
これだって日本ではあまりない話ですよね。

しかし、良く解釈すれば誰にでもチャンスがある。
悪く解釈すればある一定の人だけ不公平!です。

オーストリアにいる限り、人間関係は強力な武器となります。
就職・入学・全てにおいて、コネがあるとないでは
全く違ってきます。
実力がある人よりも、コネのある人が得をする
こんな例を少なからず見てきました。
平等を愛する日本人の私たちにとって
不思議な出来事がけっこうあります。

しかし、悪いところと良いところは背中合わせ。
これらが吉と転じることも多く
「え、ラッキー!」ということも実際あるのです。

以下、私の経験談。

わたしがオーストリアで体験したラッキーだった不公平の例

【その1】イケメン・パラリーガルくんに助けられた件

離婚して、自分の旧姓がどうしても取り戻せなかった時、
(オーストリア側は、日本大使館の証明書を要求されたのですが、
そんな前例のない証明書を、日本大使館はもちろん出してくれません)

私が何度説明してもダメだったのに
ある日イケメンのパラリーガルを連れいてったら
一発でOKが下りたのでした。

役所のおばちゃんが、パラリーガルくんに
「証明書受け取りの時には、あなたも来るわよね」
と熱い視線で念を押していました。
「弁護士事務所でMag.のつくアソシエイト」というタイトルと
オーストリア人(これ大事)のイケメンは最高の武器でした。

私が彼を連れて行かなかったら
多分、今でも旧姓を取り戻せなかったでしょう。
ついでに子供達の姓の変更も全部やってもらいました。
感謝。

【その2】永久滞在許可証、受けつけの時

これはMA35(外人局サービス課)にて、
いくら待っても自分の番が回ってこなくて
泣く泣く知り合いの人にその旨を告げたら、

「あ、僕、その事務所に知り合いがいるから、言ってあげるよ」
と言ってくれて、そうしたら次の日、即
永久ビザを受け取れました。
全て条件は揃っていたので、もらえて当たり前だったのですが、
こんなに早急にいただけたのは、この人間関係のおかげです。
そうでなければ半年以上待ったかもしれません。

そして最後に
これは私に起きたことではありませんが
某、学生に起きた実話で、これにはかなり驚きました。

【その3】コロナでロックダウンの時、違反した学生の罰金がチャラに!

ある学生が、第一次ロックダウンの時に規則を破り
友人と距離を開けずにベンチに座って
おしゃべりをしていました。

当時は警察が厳しく取り締まっていたので
彼らは警察に罰金を受けました。
その額は約500ユーロくらいだったそうです。

その学生、担当の教授に泣きついて
教授は自分の弁護士を紹介し
レターを書いてもらい
罰金を帳消しにしてもらったそうです。

私は、これはいくらなんでもあり得ないのではないかと
ウィーン大学法学部の息子に聞くと、

「たとえば彼女がコロナで精神的にまいっていて
もともと精神科とかのテラピーに通っていて、
友人と逢わないと自殺するような人間である、
彼女も心から反省している、
と証明できたら、罰金帳消しは可能だね。
でも経験のある弁護士でないと
個人のレターじゃ多分ダメだよ」
と言っていました。

真意の程は誰もわからないですがどびっくり。
確かに、彼女が本当に精神を病んでいるのなら
慈悲のある素晴らしい対応ですよね。
しかし、もし真実でないのなら。。。。。

日本と違うことがたくさんあります。