その長い楽器人生の間で「ピアノやめたい!」とか「ヴァイオリンやめたい!」と親御さんに訴えた人は少なくないと思います。
その時点で、親御さんが「ま、良いか、いやならやめさせちゃえ」と止めることの出来た人もいるでしょう。
止めなかった(止めさせてもらえなかった)人達で、音大なりに進学し、当時を振りかえり、
「やっぱりあの時、止めさせてもらえないで、続けててよかった〜。ピアノが弾けるの、最高!楽しい!親に感謝!!!」
というのは、結構アルアルだったりもします。音大に入って出ても、イヤイヤ続けている人は、いる事はいるのですが、こちらの闇は一般ではないのでここでは書きません(笑)
さて、お子さんが「止めたい!」って言ったらどうしますか?
「止めたい」というには理由があって、多くは「うちで練習したくない」だと思います。
その場合は、「練習をしたくなるような先生にかえる」というのもひとつの手です。
私の場合は、小学生低学年の頃ですが、当時のピアノの先生が大嫌いでした。ここに書いた教授とは違う人です。
その人の見た目も美しくないし(本当にすみません。でも子供ってそういうところも大切なんです)優しくないし、ピアノをその細い指で突き刺すような弾き方も癇に障りました。何よりも生徒を絶対に褒めない、ニコリともしない。それが御自分のステイタスだと思っていたのでしょう。
「この世に音楽家はベートーヴェンしかいないと思っています」とか「○大以外は音楽大学ではありません」というような、決めつけも、子供の私にもかなり嫌なものでした。ピアノは好きでしたが、この人のことは、大嫌いでした。
で、私の場合はピアノを止める、というよりも、「この先生はいやだ!」と何回も母に訴えました。
しかしまあ、もう本当にね、日本的で控えめな母ですから、
「そんな、せっかく○さんのご紹介でご縁があったのに」とかなんだかんだ言って、「先生を変える」なんて努力は、全くしてくれませんでした。どうしたら良いかなんて、音楽畑素人の母に全くわからなかったのでしょう。音楽家の家に生まれなかった私の悲劇です。
ネットも携帯もない、何十年も前の昭和のお話です。小学生低学年の私が何をできるわけでもなく、中学生まで変な先生にイヤイヤ習うことになるのですが、まあこれも人生なのでしょう。
で、何が良いかというと、親御さんにお願いしたいと思います。
お子さんが「止めたい」と言った時は、理由があります。とことん聞いてあげて、解決してあげてください。「めんどうくさい、わかんないし、きっとうちの子、怠け者なんだわ」とか「きっとうちの子には才能がないんだわ」なんて思い込みは危険です。
なんでもネットでリサーチできるこのご時世、親御さんが理由を見つけて解決したら、あなたのお子さんは大化けして素晴らしい音楽家になったりするかもしれません。
まあ、そんな大袈裟なことはないとしても、ピアノやヴァイオリンを一生、とても楽しめる人生を送れるかもしれません。お子さんの成長のチャンスを見逃さないようにしてあげてください。