怖がらせるわけじゃないけれど、留学する際に毅然とした態度を取れることの大切さについて

ピアノとヴァイオリン

私は欧州に住んで35年くらいになるし、子供達もここで生まれて育っているので、日本の平和な裕福な家庭で育った人達とはちょっと違います。だから、留学するといってもそんなに用心しまくって怖がることもないのですが、それでも一歩間違えば危ないんだぞ、ということを書いてみます。

誰の役に立つかもわかりませんが、留学する際はちょっと思い出してみてください。

前もって書いておきますが、留学先としてオーストリアはかなり安全な場所だと思います。
日本で暮らすように過ごしたら、もちろん置き引きにもスリにもあいますが、大都会のパリやロンドン、ローマに比べれば安全なほうな部類です。

留学すると、多くの人と知り合うと思います。
多くは同じ大学の学生であったり、パーティで知り合った同じような年代の人や、その人の友達の友達、などなど。その中には、危ない人も残念ながらいます。

どういうふうに危ないかというと、喫煙や飲酒なんて可愛い方で、ドラックです。
ウィーンでそういう事が頻繁にあるか、と問われると、実際、私の娘の周りでは聞いた事がありません。しかし知らない人達と飲む場合、注意が必要です。飲み物から目を離さない事、です。飲み物に気をつける、はもうマスト中のマスト。女性の場合、男性のアパートにひとりで行く、も100%自己責任です。そこら辺はもう、どこにいても常識ですね。

そしてここからがメイン。

今日私が書きたかった事です。
詳細書き換えますが、ムスメがあるヴァイオリンの学生から「新品のPCを買ったのに持ってくるのを忘れちゃったの。私の彼が貴女に渡すからフライトでこちらに飛んでくる時に持ってきて」というものです。

ムスメはただでさえ大荷物での移動、それに加えて新品のPCを入れるような場所もトランクにもないし、何よりその子は日頃から横柄で感じも悪いので断りました。そしたら逆ギレ。Fa!k ワード満載のメッセージを送ってきてゴリ押ししてきます。もう、「持ってこい!」の命令口調です。

娘も流石に頭に来たのですが、そこはその学生と違って常識があるので、
「私が運べない理由はすでに説明したでしょう?あなたがアグレッシヴな態度に出るのは間違えじゃないかしら?」とナイスな返信をしました。

娘からその話を聞いた時に、私の頭に浮かんだのは「ドラッグ」でした。
もしその子の彼氏が、そのPCの箱の中に『気のきいたプレゼント』としてなんらかの違法薬物を入れちゃった場合・・・・。考えただけでもゾッとします。空港で見つかったら国によっては死刑です。

しかその子やその子の彼はそれを「やりそう」な様子は充分にあります。
ムスメ曰く、「それはエクストリームよ、さすがにないわよ。」ですが、私はその子を『全く』信用していないので彼女が、その子のどんな強い要求にも応じなかった事にホッとしました。

しかし、しかし、これが気の弱い優しい日本からの留学生だったりしたらどうなるでしょう?
「同門だし、嫌われたくないし、気まずい感じになるのなら、少しぐらい重くても運んであげよう」と思ってしまうかもしれません。

アウトです。何かがあった場合(それは考えすぎかもしれませんが)その子達はなんの罪にも問われず、運んだ人だけが犯罪者となります。

いつもエゴイストなその子のせいで嫌な思いをしましたが、はっきりと断り、しかも今後も気をつけなければ、という気持ちが強くなったので、これは良い出来事だったと思う事にしました。

どんなに恫喝されても、迫られてても、断るべきことは断る。勇気を持って毅然とした態度で応じることは外国に出た場合非常に大切になります。こういう嫌な面は目を背けたくなると思いますが、どんなに善良な気持ちで暮らしていても、悪魔は寄って来るものです。気をつけましょう!