ムスメ、ウィーン国立音楽大学 ヴァイオリンの第1ディプロマ無事終了

ピアノとヴァイオリン

この、第1ディプロマとは日本でいえば「大学」の終了試験です。オーストリアと日本では大学のシステムが違うので、簡単にはいえないのですが、まあ、そんなところ。

音楽大学では、規定量の副科の単位を取ると、この実技の試験を受けることができます。うちの娘は、7歳くらいからウィーンやザルツブルクの音大の予備科(当時はそう呼んだ)に属しているので「いつも音大に在籍しているのが当たり前」になっているのですが、この区切りがちょっとついた感じです。

演奏科学科、ヴァイオリンの第1ディプロマ実技試験の課題曲は以下の通りです。

バッハのソロソナタから2つの楽章
パガニーニのカプリス2曲
コンチェルト全楽章
古典派のピアノとのソナタ全楽章
その他の次回のピアノとのソナタ全楽章
モーツァルトのコンチェルト全楽章
オーケストラ・スタディ3曲

結構すごいですよね。これを全曲弾くと、大変な時間になってしまうので、演奏試験の数日前に、どの曲のどの楽章を弾くかを指定されます。例を挙げると、うちの娘の場合はこんな感じです。

バッハは2曲そのまま両方
パガニーニのカプリスは22番
コンチェルトはブルッフのスコティッシュ・ファンタジーを選んだのですが、最終楽章
シューベルトのソナタからはスケルツォ
シマノフスキのソナタからは1楽章
モーツァルトのコンチェルトは2楽章
オーケストラ・スタディはシューマンのシンフォニーからでした。

直前まで、どこが指定されるかわからないので全部準備してないと、試験を受けることができません。なので、キャンセルが数人出るのが通常です。

コロナ禍ですので、第1ディプロマの場合は、1人だけ招待しても良い、ということなので娘は私を選び、副学長の了解を得て、私も聴きに行きました。
彼女の順番は朝一番、9時10分開始でした。試験委員会から指定された上のプログラムを全部通して演奏すると50分になります。噂によると、「演奏途中に切られるからそんなに長くならない」とのことでしたが、うちは結構長かった!!!

審査員の教授数はそんなに多くないと思っていたのですが、蓋をあけてみると見事に10人以上いました。ほぼ全員知った顔です。コロナなのにこんなに集まるんだと驚きました。

場所はウィーン国立音楽大学1区にあるフェスト・ザールです。ガラスで審査員の机は遮られて、コロナ対策はバッチリ。私はいちばん前に座る羽目になりましたが、娘は私がどこに座っていても気にならない人なのでOKですが、私はかなり居心地が微妙でした。
こちらは準備室。

この数の教授連の前で演奏するのは久々なので、緊張はしたようですが、失敗もなく無事に終了。モーツァルトの2楽章、シマノフスキなどは途中で切られたのですが、ほぼ、全曲演奏できました。結構長かったです。

この音大のコンクールや奨学金のかかったオーディションは、かなり大人の事情が優先し、どんなに立派に演奏しても点数が反比例することが多いので、かなり心配したのですが、最高点の評価だったのでとても安心しました。数人の教授が演奏後に来て下さって、お祝いしてくださったのも本当にありがたかったです。

さて、これをもって9月からは晴れて「大学院生」となります。
順調にいけば2年で終了。その後はポストに残る人もいるのですが、こちらは学位に関係なくお金がかかるので、滞在ビザなどが必要のなりうちの娘は引き続き在学するかどうかは今の所不明。まずは、大学院卒業を目指して前進です!

とにかく無事に終わってよかったです!