日本と欧米の音楽大学における門下事情の違いと、教授へのアプローチ方法

音楽留学のために

日本の音楽大学などでの門下事情と欧米(本当にざっくりですみません)の違いを、ちょっと書いてみたいと思います。
お役に立てば。。。。

欧州、とざっくり書いてしまいましたが、西欧・ロシア圏・アメリカ系の教授で多少の違いはあると思いますが、日本とははっきり違う、という所もあるので、その点はご了承ください。

さて、まずはじめに目指す教授・先生へのアプローチ。

日本人の感覚から言うと、「どなたかのご紹介がないと、門を叩けない」的な考えがあると思いますが、こちらではちょっと事情が違います。

私は過去、ムスメのために「これ」と思う教授には、直接アプローチして来ました。
だって、知らない人と繋がりたいのに、その知り合いの知り合い、紹介してくれる人がいなければ何も始まらない、自分でやるしかない、です。

私の場合です。
はじめに手紙(当時は「メール」というのはあまり普通ではなかった)に娘の簡単な履歴を載せ、後日お電話をして訪問日を頂く、みたいな感じです。
有名教授であれば、メールアドレス等は簡単に探すことができます。音大に尋ねるのもよし。音大では音大用の教授のメールアドレスを難なく教えてくれます。
(しかしながら、これは20年前の話です。当時と違って今は、どんな子供でも音大性が弾くような難曲をペラっと弾く子が多いので(特にヴァイオリン)当たって砕けろがいつも有効ではないことは書いておきます。)

もちろん教授のランクによって難易度はあるのですが、若くて、きちんとした基礎が出来ていて、死ぬほど用意していけばまあ、失敗はしないものです。

あとは相性。
お互いに、「いけるかも」と思れば師弟関係は続くこととなります。教授も人間なので、実力云々以外に、嫌だな、と思うこともあるだろうし、習う側にして見ても、すごく良さそうな人だと思っていたのに、「全然ピンとこない!」と思うことも当然あると思います。だから、まずは会って、お互いに知り合うことが大切です。

そして、多くの日本人が初めの出会い(ドイツ語ではVorspielと言います)忘れてしまう事をひとつ書いておきます。

それは、絶対に、「今日のお代は幾らでしょうか?」とはっきりと聞くこと!!!お金のことを口にするのは小っ恥ずかしい感じはありますが、勇気を出します。

日本人は丁寧で礼儀正しい人種なのに、これを忘れる(または思いつかない)人(学生)の何と多いことか、と思います。本当になんでだろう?これは絶対にマストです。忘れてはいけません。

教授によっては「今日は聴いただけでレッスンしてないから、結構」という人もいますが、演奏を聴いてくれただけで、レッスンらしいことは何もしていないのに、「300ユーロ」とはっきりいう人もいます。現金がない、なんていうと恥ずかしいことになるので、きちんと事前に用意しておく事をお勧めします。(音大教授レベルであれば、理想は100ユーロ札とあとは細かいお札を数枚用意するとOK)レッスン料の相場については、こちらをどうぞ。

そして忘れてはいけないのは、もしピアニストがいた場合、その人にも聞かなければいけません。
絶対に踏み倒したりしないようにしてください(笑)いや、笑い事ではありません。実際に過去、何人もそれをした人を知っています。教授やピアニストの印象が悪くなると、後々困ることも出てきます。(本当にこれで泣くピアニストは多い)「日本からお土産を持ってきたし、これでOKだわ」なんて絶対に考えてはいけません。ピアニストは仕事で弾いているのです。

話を戻します。

英語も何語もできない場合は、事前に誰か、音楽を専門に学んだ人に通訳をお願いすることをお勧めします。せっかく行ったのに、何を言われてるか分からなくて、それでもニコニコして頷くだけで帰ってきて、何が起きたのか全くわからない、なんてことのないように。

わからなかったら何度でも聞くこと。来たての日本人は語学ができなくて当たり前、とみんな思っているので恥ずかしがる必要は全くありません。その楽器を知らない、言語ができるだけの人に通訳を頼むと、多分、出来ないと思うので(これは本当にそう)音大留学生などの人に頼んだ方が良いです。

あまり図々しいのも考えものですが、怖がらず、勇気を出してやってみましょう。顔合わせ前の曲を準備は万端に(これについてもまた書きます)準備していれば、新しい世界が広がるチャンスとなるでしょう!!!頑張ってください。