本番当日に気をつける事と数週間前から出来ること 親のサポートと本人の心構えなどなど

ピアノとヴァイオリン

SNSでたまたまこの話題になったので、放置プレイのこのブログですが、書いてみることにしました。

まず、試験でもコンクールでもなんでも構いません。大事な本番の演奏時間はあらかじめわかっているはずなので、その時間に最高のパフォーマンスができるように、時間帯を数週間前から変えていきます。

もし、午前中9時に演奏するのなら、数週間前から早寝早起きです。
その逆なら、夜型に体を持っていきます。これ、結構大切です。コンクールなどで時差のある外国で弾く時は尚更です。(大きな時差があるところでの演奏は、できれば2日くらい前に現地に到着していることが理想)

その時間に合わせて、食事・練習時間を合わせていきます。

そして当日ですが、とにかく体力温存が大切です。
大切なその日まで暗譜が不安、なんて状態はまったくないことが前提です。現代曲は譜面を立てることが可能ですし、練習は十分に行われていることが大前提。(もし、充分に出来ていなくて、酷い結果が起こりうるのならやめるべき)

話を戻します。
とにかく体力を失わないことが大切です。緊張は誰でもします。で、緊張するとあくびが連発して、眠くなってきます。これを「大物」と勘違いする人がいますが、違います。ただ、ただ、普通に緊張しているだけです。

きちんと必要なだけの食事を取り、できれば20分くらいの昼寝をします。それ以上はダメだそうです。

これは大切な事ですが、お子さんの場合、親が大騒ぎをしないこと。
「あれやった?これやった?早くしなさい!急がないで!!!!」なんて矛盾の連発。これは子供よりさらに親が緊張して舞い上がっているので、当然起こりうる現象です。ハイ、私もやってきました。ムスメ曰く、最高に嫌だそうです。気分も乱れます。絶対にNGです。

必要なことだけサポートする、それが大切です。

最悪なのは、他の子供を見て「あの子ってXX先生の関係有力らしいわよ」とか「財閥でコネがあるらしいわ」なんて子供に言わないことです。言ってどうする。そんなことは他の親とおしゃべりすればいいのです(しないほうが良いに決まってるけど)
これら全て、子どもの心をめちゃめちゃ乱します。とにかく、落ち着け、親!!!です。

そして楽屋。
ある程度大きくなって、子供が1人にして欲しい、というのであれば客席に行けばいいし、子供によっては「ずっと居て!!!」というので、可能であればいれば良いと思います。
個人的には、子供が特に嫌がらない場合はそばにいたほうがいいかな、と思います。コンクールや主催者によってはケアが足らないこともあるし、直前にトイレ!なんていう時、楽器を見ている人がいた方がいい場合もあります。

大切なのは「親として他の子供を気にしないこと」です。
昔、他の子供を威圧しようと、わざと睨む親がいましたが、そんなのは論外です。人として最低。

で、本番が終わったら、どんなに下手を打ったとしても褒めることです。
多くの教授から聞きましたが、「終わった後にダメ出ししてどうなる」です。その後のやる気を削ぐだけです。欠けていた点は次のレッスンで教授がいいます。その場で即ダメ出しする、そんな巨匠クラスの教授はまずいません(見てきた経験から)

だから親だって即ダメ出しはダメです。でもまあね、ロシア・東欧系の同じ専門分野の親御さんはかなりすごい勢いで怒り狂ってますけどね・・・・それでも結果が良ければOKですが、結果が伴わなかった場合はちょっと地獄。たくさん間違えてボロボロだったのに、必要以上に周りも巻き込んで褒めちぎる親御さんにも呆れますが、いずれにせよ、やりすぎはアウト。

さて、大人の場合です。

これはもう、圧倒的に日本人だけですが、弾く前からネガティヴな発言ばかりする人。
「絶対やばい、間違える、弾きたくない〜〜〜!!!」ってやつです。これ、失敗した時の付箋を引いているつもりでしょうが、絶対にNGです。だって、言葉に出したことは現実に起こります。
やばくて間違えて、酷い死にたいほどの結果になります。

こっちの学生でそういう人はまずいません。
なぜかわからないけれど日本人だけです。間違えたら恥ずかしいとか思うのでしょうが、どこかの他人のために弾くのじゃないのです。あなたが弾きたくて、あなたの為に弾くのですから、舞台を大切にしましょう。天然ポジティフも考えものですが、ネガティブ発言よりはずっとマシです。

なーんてね、書くのは簡単、実行するのは難しいことは百も承知です。
でも本気で頑張っている人たちは、それぞれかなりの努力をしています。その努力が報われるかどうかは、過ごし方で随分と差が出てくるものです。

日頃の努力を無駄にしないように、心がけて本番に臨みましょう!