今日は「ピアノやヴァイオリン楽器の習い事」と「お勉強・頭の良さ」について書いてみたいと思います。
前にも書きましたが、私の生徒のほとんどは、偶然だと思いますが、かなり頭が良く、学校での成績もトップクラスです。語学も(ここは外国なので)バイリンガルどころかトリリンガル、それ以上を操る子供がほとんどです。バカロレアを取った後は英国やフランスに留学し、一流といわれる企業や機関で働き、高収入取得者になってたりして驚くばかりです。
なので、実際に学業において優秀な子供たちをピアノの生徒に持って、思うことを書いてみますと、結論、
「別にピアノをやっているから頭が良くなったわけではない」
もともと頭の良い、IQの高い、頭の良くなるような環境に育った子供たちが、たまたまうちにピアノを習いに来た、だと思うのです。
頭の良さ、とは(悲しいかな)ほぼ遺伝で決まるのだそうです。もちろん努力や環境もあるでしょうが、それはまあ置いておいて。
生徒さんの親御さんの殆どが、「良い機関や企業で働いていて高収入」→「そこで勤務出来る高学歴を持っていた」→ 「頭がもともと良い」→「クラシックを家庭で楽しめるような家庭で育った」→ 「ピアノやヴァイオリンを習う経済的余裕もある」です。
だからもともとIQの高い、頭の良い子は集中力があって、ピアノやヴァイオリンを息抜きとして楽しめるという余裕がある気がします。
集中力に欠ける、学校の成績が残念なお子さんがピアノやヴァイオリンを習って、はたして頭が良くなるでしょうか?
個人的には、学校で集中力がないのに、楽器のレッスンで集中力が出るとは、なんか思えません。学校の成績に反映する可能性としては、ピアノやヴァイオリンで良い先生にめぐりあい、なおかつ、その子が楽器に異常に興味を示し、たまたま学業にも集中力が出た時だけ、のような気がします。
私は違いましたが、クラシックをたしなまない家庭の子がいきなりクラシックのピアノやヴァイオリンを好きになる例は多分、稀だと思います。だって世の中にはもっとみじかに楽しめる音楽が溢れているから。それなのに勉強ができるようになるためにピアノを習わせるのはちょっと違う気がします。
私がピアノが脳に良い、と感じるのは「大人のピアノ」です。
これは子供のそれとはちょっと違います。
普段の生活では使わない方法で五指を使い、自分の奏でる音楽を聴き、楽しみ、喜びを感じる。もう、これはアドレナリンも出まくって、最高に脳に良い、老化防止でアンチエイジングだと私は思います。
それに大人のピアノは、自分の意志で、「好きだからやりたい!」という思いで始めるわけですからなおさらです。
好きでもないのにピアノを習っても、アンチエイジングの効果はイマイチな気がします。まあ、五指を全く動かさないよりは絶対良いと思いますが。
人間、楽しくなければ覚えません。我慢して根性で何かを習得するという時代は終わったのではないでしょうか?
子供がピアノを習ってピアノを好きになって上手になったとします。これは本当に喜ばしいことですが、同様に勉強を好きになって、楽しいと思って勉強しなければ学校の成績は上がらないのではないでしょうか?
これでわかることはただひとつ、子供がピアノに興味がないのに、頭が良くなるかも?と親が期待をかけて習わせるのはちょっと違うんじゃないか、ということです。
ピアノを習わせるのであれば、ピアノを通じて音楽を楽しめることを目的としてほしいです。学校の成績を上げることを目的とするのならば、ドラゴン桜に出てくる、勉強を好きになれるような先生を探す方が近道だと思います。
なにごとも、好きこそものの上手なれ、ですね。