ピアノのレッスン「集中力のない子供」もしくは「集中力の続かない子供」「ふざける子」について

ピアノ塾

残念というか、当然というか、居ます。この、「集中力の続かない子」「集中力のほぼ、ない子」「レッスン中にふざける子」

この手の子供は2番目に教師泣かせのグループの子供達だと思います。教師泣かせのナンバーワンは「まったくピアノに興味を示さない子」だと思うのですが、今日はこのナンバー2について書いてみたいと思います。

今でこそ慣れましたが、若い頃は「なんだこりゃ、どうすりゃいいんじゃ」と真面目に悩んだものです。初めは興味を示していても、すぐに目はグランドピアノの中の方に向かい、私の話はすでに聞いていない。グランドピアノの構造が珍しいのでしょう、ハンマーが上に上がる様子にすっかり心を奪われて、そっちばかりみてしまう。

「今、ド〜レッ、ド〜、の練習をしてる途中じゃん!なんで急に心ここに在らず?????」と慌てたものです。そこで焦って子供の心を取り返そうとしても、時、すでに遅し。計画通りにレッスンが進まないことに、イライラしたものでした。

日本の子供であれば、たとえ飽きたとしても、お行儀が良いので、格好だけは聞いているふりをしている。でも、こちらの子供は違います。思った事がそのまま真っ直ぐ行動に直結するので、こちらは口を開けたまま、疲れ果てる、ということもよくありました。

今はもう、すっかりこんなのに慣れ、まったく平気で対処できますが、体力は相変わらず使うし、無駄な神経も時間も使うので、本心を言えば嬉しいものではありません。お母さんは横で泣きそうな顔で心配してるし、でもまあ、子供なんてこんなものです。生徒がいたら、5人にひとりは今でもこんな感じです。

年齢が低ければ低いほど、しょうがありません。というか、当たり前ですね。
今では、ピアノに関係のある、別なことに興味がいってしまった場合は、すぐに、そして気が付かれないように、さりげなく切り替えるようにしています。

もし、ピアノの中身の構造ばっかり見ている場合は、そちらの教育に切り替える。

「どうしてソフトペダルを踏むと音がちいさく柔らかくなると思う?自分で考えてごらん?ピアノの中をもっと良く見てごらん?、何が起きた?見たでしょ?鍵盤が動いて、ハンマーが全部の弦を叩かないからだよ、だから音が小さくなるんだよ」というと、

「ほおおおおお〜〜〜」っとなって、そこは集中しているのでしっかり覚える、みたいな感じです。

そして帰る時に、「どうして左のペダルを押すと、音が小さく優しくなるんだっけ?」と聞くと、「鍵盤が動いて、ハンマーが全部の弦を叩かないからだよ」と答えられる。少なくとも何か別なものを学べるわけです。

読譜を一緒にやっていても、ふと気がつくと、ちびっこの目が宙を浮いている。そんな時はすぐに、しかし「さりげなく」切り替え、違うことをします。指のトレーニングや歌わせるとか違うことに切り替えます。さりげなくやらないと「飽きた態度を示したら、面白いことがやってくる」と相手に思われ、面倒になるからです。子供はとても頭が良いです。

子供の気がそれても、負けずにそっちを追いかけて、何かを教える。私にとってはゲームみたいなものです。

しっかり怒るのは、小さい子にありがちな(おっきい子でもやる場合がある)わざとふざけて弾いてみたりして、私の反応を見る場合。

ふざけたことを2回やると私が「最後だよ。もう一回やったらピアノはおしまい。うちにもう来なくていいよ」というと、絶対に2度としません。怒鳴るわけでも、泣かせるわけでもないです。ただ、静かにそう伝えるのです。
子供は馬鹿ではありません。「ここまでだ」と思う点をよくみています。それからは普通に真面目にレッスンします。それでピアノのレッスンが嫌になって来なくなった子はいないし、大したことではありません。

ただ、若い先生でこれができない人は結構います。子供に、「ダメだよ」という忠告の機会を逃してしまうと、永遠に子供がふざけまわって、先生としての威厳は無くなってしまい、そうすると後から取り戻すことは大変難しくなってしまうのです。はじめが肝心です。

長年見ていると、はじめはどんなに動物のようにチョロチョロしていても、ある日突然すごい集中力と興味が出て伸びる、というケースはかなり多いです。普通の健康な子供であれば、指導の筋が通っている場合、大抵はうまく行くので、ポイントをついて注意してレッスンしていけば努力は報われます。頑張っていきましょう!