ピアノのレッスン やたら動きの大きな(跳躍ばっかりある)曲の練習法で有効なものは?

ピアノとヴァイオリン

ちょうど質問を受けたので昔の記事をもう一回アップします。以下、興味のある方はどうぞ。

これは、今の私のアルアルなので書いてみます。ひょんなことから、リヒャルト・シュトラウスのワルツを弾かなければいけなくて、譜読みを始めたのですが、もうねえ、左手が飛ぶ飛ぶ。これは暗譜してないとまずテンポで弾けないだろうな、という感じでした。

それで、(身をもって)やたら飛ぶ曲の練習法について、書いてみたいと思います。

私自身が実行していて、生徒さんにもやっていただく方法なんですが、「忍びの忍者奏法」です。アホみたいなネーミングですが、こういうの、こっちの子が喜んで覚えるのでそう名付けました。(こっちの子は、ニンジャ、という言葉を知っている)

まず、左手がワルツでブンちゃっちゃ、っとやたら飛ぶとします。そうしたら、まず、亀のテンポで譜読みするのですが、ある程度読めたら、その一音一音の移動を素早くするのです。素早く瞬間移動→鍵盤の上に手を準備する→ピアニッシモで弾く→素早く瞬間移動→鍵盤の上に手を準備する→ピアニッシモで弾く、これをもう、暗譜するまで繰り返します。

決してやってはいけないことは、博打のように跳躍した場所まで乱暴に指を持っていって、ぶっ叩くことです。こんなことをしていたら、ミスタッチの連続となること間違えないし、いつまでたっても弾けるようにはなりません。そして本番で上がったら100%失敗します。

そして絶対に手首から下だけで弾かない(移動しない)ことがポイントです。背中を意識して、指より身体が先に動くことを意識するのです。あんまり大袈裟にやってもバカみたいなので、ほどほどに、ですが。正しい指導の元に行ってみてください。

これらを気をつけて、根性を入れて、自分のものになるまで繰り返します。すっごい忍耐が入りますが、鉄板で必要です。頑張ってください。

さて、ウィーンのワルツについてちょっと述べます。3拍子、といってもただブンちゃっちゃ、ブンちゃっちゃ、と弾けば良いだけではありません。先日、オーストリアの俳優、オットー・シェンクが面白いことを言っていたので、書いてみます。

「1拍目はまあ、普通に弾く。2拍目はちょーっと遅く来て短めに。そして3拍目は…多分来るかも…」だそうです。

ドイツ語でないとちょっと伝わらないかも。最後の「多分くるかも」、は「Vielleicht……」勝手な私の訳です。
ウィーンらしいですね。それではまた!