海外音楽留学を本気で目指すなら、親が今できる3つの準備
子どもが「海外で音楽を学びたい」と言い出したとき、親としてはさまざまな思いがよぎります。嬉しさもあれば、不安もある。でも、もしその気持ちが本気なら、親として“今から”できる準備が確かにあります。
1. まず必要なのは「お金」です
これを避けて通ることはできません。
残念ながら、経済的な余裕がなければ、音楽留学は成り立ちません。
例えばウィーンを例に挙げると、学費自体は日本に比べて安いと思われがちですが、実際には次のような費用がかかります:
- 滞在費
- 語学学校やマスタークラスの参加費
- プライベートレッスン料
- 楽器の維持費や修理費
- ビザや保険に関わる諸費用
- コンクールや演奏会への移動・準備費用
つまり、音楽留学は通常の留学と比べて、はるかに高額になりがちなのです。
また、現地でのアルバイトに期待しすぎるのは危険です。生活に慣れてきた数年後なら可能かもしれませんが、最初から生活費をバイトで賄うというのは現実的ではありません。無理は禁物です。
2. 家族全員の理解と協力
音楽留学は、本人ひとりの挑戦ではありません。
送り出す親だけでなく、家族全体の理解と協力が必要です。
特に兄弟姉妹がいる場合、「なぜあの子だけ?」という不公平感が出ることもあります。そうならないためにも、留学の意味や必要性を家族でしっかり話し合う時間を持つことがとても大切です。
3. 師事している先生の応援
当たり前のことのように思われるかもしれませんが、これは非常に大きな要素です。
現在学んでいる先生の理解や推薦が得られないと、留学準備は思うように進みません。先生が持つネットワークや信頼が、そのまま留学先の教授や学校とのご縁につながることも珍しくありません。
留学準備のスタートラインに立つために
この3つをクリアできて、ようやく本格的な留学準備のスタートラインに立てます。
ここから重要なのは、「どこに行くか」を具体化していくことです。
それには時間がかかりますし、計画は数年前から始めることが理想的です。しっかり準備しておけば、現地に着いてから慌てることなく、学業に専念できます。
留学先の先生をどう探すか?
まず一番理想的なのは、日本で師事している先生が、海外の教授を直接紹介してくれることです。これが叶えば、話はスムーズに進みますし、受け入れ側の安心感も大きいのです。
ただし、必ずしも紹介があるとは限りません。その場合に強くおすすめしたいのが、国内外で開催されているマスタークラスへの参加です。
これらはただのレッスンではなく、教授に自分の音を直接届けられる場です。時には、それが入試や受け入れの判断材料になることもあります。
たとえば、夏休みなどの長期休暇を利用して海外のマスタークラスに参加するのは、非常に有効です。
最後に
ここまで書いて、改めて「やっぱりお金がかかるな」と思っています。でも、それが日本でクラシック音楽を専門にして生きていく現実でもあります。
夢を叶えるために、親が“今”できることは意外とたくさんあります。
冷静に、そして前向きに、準備を始めてみてください。