コロナも消滅し(一応)、観光客も留学も戻ってきました。今日は海外のタブー行動について触れてみたいと思います。
相手の容姿やスタイルにふれること。
これはもう、日本人の、特にオバさんタイプのアルアルです。本人は悪気がありません。無邪気に、フレンドリーに連発するのですが、以下、その代表です。
「すごい美人〜!イケメン!!!かっこいい」
1回くらいなら、相手も「まあ、嬉しい!」となりますが、連発すると、「この人は私に特別な感情を持っているんのかしら?」または、「あの親御さん、女性に興味があるの?」もしくは「私の彼氏をイケメンだって連発するんだけれど、どういうつもり?私から奪おうとしているの?」
これ、実話です。
私、本気でこちらの学生からそう聞かれました。
「悪気はないのよ。褒めてるつもりなのよ。日本人ってそうなのよ、気にしないで」とは言いましたが、私にいわせると「またかよ」です。
西洋人は顔も平たくなくて凹凸があるし、乱暴にいえば全員、東洋人より美人やイケメンに見えます。そんなので興奮していたら、海外在住中、頭がおかしくなります。本当に。
こちらでは、初対面の人にいきなり容姿について触れる、なんて事はしません。特別な感情がある場合、チラッと異性に何かを言う人はいますが、それは「特別な感情がある」場合です。誤解を生むので、本当に気をつけましょう。
しかしね、これ私も数十年前に日本にいるとき、ゲーテ・インスティチュートのドイツ人先生にやってましたよ。だって、本当に美人なんだもの。日本にいると、このすごい凹凸の(欧米にいたらいたって普通の)顔が、やたら美しく見えるし、それが金髪だったり青目だったりしたもう、目がハートになるのもわかります。当時の先生、ごめんなさい。
「俳優の/女優の誰々に似てますね」
も、本人は褒めているつもりでしょうが、それも伝わりません。日本人がそれを仮に喜んだとしても、アンジェリーナ・ジョリーを美しくない、と思う女性だってこの世の中にはたくさんいます。
日本人だけが良いと思っている褒め言葉に、
「きゃ〜、すごい小顔!!!」
これは、喧嘩を売っていると思われることもあります。
とにかく、相手の容姿に触れることはやめましょう。はっきりいうと、これは「失礼な行動です」
面白い一例です。
大昔、あるコンクールで私の友人お嬢ちゃんが抜群の高得点で優勝した時の話。友人が猛烈に怒って私のところにやってきました。
「ちょっと聞いてよ、あのファイナルにも残らなかったパウル(仮名)の親、私のところに来てなんて言ったと思う???『ハンナ(仮名)は本当に夢のように美しい女の子ね。金髪で長い髪がもう、燃えるようで素晴らしいわ。目も青くて大きくてまつ毛も長くて最高に可愛いわ!!!』って言ったのよ。あんた、ハンナのあの素晴らしかったファイナルのヴァイオリン演奏についてはガン無視よ。全く頭にきたわ。」
これです。
この親御さんの場合は、悪意しかないのですが、特に演奏家の容姿だけを誉めるときは、「演奏は下手だわ」という裏返の表現なので要注意です。
他人の容姿に固執して異常に触れるのはやめておきましょう。