ピアノ毎日の練習(1)スケールの教え方と練習方法 スケールを制覇すればピアノ人生がワンランクアップします

ピアノとヴァイオリン

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以下、私の教え方です。教え方は人それぞれでゴマンとあり、どれが良いかは各自、ご自分で決めてください。これは一例であって、絶対ではありません。ご参考になれば幸いです。

ヴァイオリン同様、ピアノの毎日の練習に欠かせないのがスケールです。

スケール 音階練習

どう教えるか? 始めはハ長調から(C-Dur)

いわゆる音階練習です。はじめは1オクターブで構いません。まずはC-Dur(ハ長調)です。から始まります。はじめの音と一番上の音だけ長く、ドーレミファソラシドー(上行)シラソファミレドー(下降)です。ゆっくり弾きます。これを正しい指使いで(ハノン等に載ってるけど↓)弾きます。はじめは左右別々に練習して、最後は両手で弾きます。スケールを教えるときのコツは、はじめから楽譜にかぶりつくのではなく、楽譜は見ずに、弾きながら教えます。

右手 1-2312345-4321321

左手 5-4321321-2312345

ピアノの先生ならわかると思いますが、次に来るのはG-Dur。から始まってファにシャープがひとつつきます。指使いはC-Durと同じです。この調子でC-Dur、G-Dur、D-Dur、A-Dur、E-Dur、H-Durとシャープがひとつづつ増えていくいわゆる5度圏のスケールの順番で教えていきます。指使いはA-Durまで一緒です。

子供にはドー(左手の2の指)ソー(右手の2の指)レー(左手の2の指)ラー(右手の2の指)ミー(左手の2の指)シー(右手の2の指)で弾かせて覚えさると、よろこんであっという間に覚えます。

子供によりますが、かなり初心者でもあっという間にここまで覚えます。ドで始まるハ長調からシから始まるロ長調まで2回もレッスンがあれば楽勝です。この時子供が小学生高学年であれば、ドイツ音名を教えます。なんの苦痛もなく覚えます。

ここまでキチンと出来たら、後はフラット系のF-Dur、B-Dur、Es-Dur….. に行くのですが、そこでストップしてC-Dur(ハ長調)の平行調であるラから始まるa-moll(イ短調)のスケールを教えるのも手です。子供は短調のスケールが意外に好きです。ここで子供が食いついてきたら、即、短調のほうに行ってあとからフラット系の長調を教えるようにします。

面倒くさい印象を与えたくないので、子供にはその時点ではテオリーは教えません。後からいやでも覚えるようになってきます。

私がいちばん残念に思うのは、「ハノン」をはじめから順番にやらせ、で、スケールが出てきて初めてスケールをやらせる。そして全部スケールが終わったら、ハイおしまい、スケールは一生弾きません、というやつです。(私はそういうふうに日本で習った)これはもう、残念でしかありません。

ハノンはみなさんご存知でしょうが、こちら。色々な版があることをご存知ですか?私は3種類くらい持っていますが、それぞれリズム練習があったりして面白いです。正しい運指法など色々載っているので、当たり前に持つべきハノンです。

私のやり方ですが、順序としては、片手づつ1オクターヴ弾けるようにして、その次は両手。次は2オクターヴ、というふうにしています。レッスン中に習ったものをランダムに弾かせるようにします。「はい、じゃあG-Dur2オクターヴ弾いてみて〜」という感じです。

スケールを自分でどのように活用するか?

こちらは各自の練習の仕方のヒントです。アルペジオ同様、スケールもウォーミングアップに使います。

私は昔、鍵盤のCから順番にCis、D、と全調弾いていたこともありましたが、今はそんな時間もないので、ランダムに数調を選んで弾きます。その調は、ちょうど自分が今演奏している曲と同じ調だったり、その関係調など色々、お好きなようにすれば良いと思います。

とても大切なのはリズム練習です。それこそハノン教本にリズムの例がたくさん載っていると思いますが、付点やその逆、色々な工夫ができます。これも「今日はEs-Durをこのリズムでやろう!」などとすると良いと思います。

もうひとつ、有効な練習として、正規の指使いではなく、指くぐりの練習としてスケールを使うやり方があります。
右手でいえば、スケールを1,2,1,2,1,2,1,2,1,2の指使いや1,2,3,1,2,3,1,2,3,1,2,3 や1,2,3,4,1,2,3,4,1,2,3,4で弾きます。

これは子供がレッスン中にダレてきた時にやらせると、雰囲気が変わって子供が面白がり、集中力が戻ってきたりすることもあるので、試してみると良いと思います。

話をもどします。
スケールを全調、なんの苦もなく弾けるようになると、確実にあなたのピアノレベルはアップします。何回も書きますが、スタンダードなクラシックの曲の多く、モーツァルトやハイドンなどの曲はほぼ、スケールとアルペジオから成り立っています。指も回るようになるし、何よりもこの手の曲の譜読みが断然早くなります。スケールは大切です。教える立場であれば、できるだけ早い段階でスケールを教えることは大切ですし、演奏者の立場であれば、毎日練習しましょう。