ピアノもヴァイオリンも何時間練習したかが大切なのではなく、何ができるようになったか、が大切な話

ピアノのお部屋

以前、こんなツィートをしました。

その昔、娘が小さい頃にヴァイオリニスト、ギドン・クレーメルの書いた子供の頃の自伝のを読みました。日本題名を忘れてしまったのですが、多分これ。ごめんなさい、あまり確かではありませんが。

クレーメルさん、小さい時は厳しく練習時間を管理されていたそうで、毎日の練習時間をグラフにしたものが添付されていました。これをみて娘、よし自分もやるぞ〜と毎日グラフをつけ始めました。こういうことはゲームみたいで、達成感も得られるので、ちょっとした気分転換には良いことかもしせません。

私も若い頃は自分が何時間練習したかを記録して、それを眺めては「やった〜〜〜、すごいぞ自分!」と誇らしく思っていました。そしてある日、

「よし、あと10分で合計5時間だな。よ〜し、コルトーの○○のところをリズム替えして弾くかな」
と思った時、ふと気がついたのです。

「あれ?これ、意味ある?」

ピアノとかヴァイオリンって、長時間ただただ、指を動かしていればいい、というモノではないはずです。これは若いうちは良いのかもしれないですが(違うかもしれない)ただの消耗であって、ピアノが上手くなることに繋がるのか?と。。。。

歳を重ねて出した結論は、「違う」です。ただ単に動かしていれば鍛えられる!というものではありません。下手をしたら腱を痛めて壊してしまいます。

その他、間違った練習法で(例えば部分練習をしないで、初めっから終わりまでただダラダラ弾いてるだけとか)毎日4時間練習したとしても、これまた意味はなく、無駄、ということになります。

記録をつけるのならば、時間ではなくて具体的に「どこどこのパッセージが」「テンポで弾けるようになった」とか「スピッカートがまともになった」(ヴァイオリンだけど)とか具体化する事がおすすめです。

うちにはある大学生の生徒君がいました。
彼はピアノは趣味で習っているので、ピアノに向かう時間はそんなにありません。
それでも結構大きな曲を弾くので、曲を始める前に2人で計画を立てます。

始める前に楽譜を眺め、一緒に分解します。そして「この部分は難しそうだから初めに手をつけよう」とか「このフレーズはこういう部分練習をしよう」など決めていきます。前に出てきた数小節と同じ調で再現されている場合はひとつのグループにして一緒に練習するようにします。

プロになりたいのなら毎日全調のスケール・アルペジオ・オクターヴetcを弾くのもいいですが、曲中に出てくる調のスケールやアルペジオだけにするとかポイントをついた練習に絞って技術を上げることも可能です。

こんな風にして、カンパネラもベートーヴェンのちょっと難しいソナタもなんとか人前で演奏出来るくらいになったので、大したものです。彼も大学入学資格試験であるIB(インターナショナル・バカロレア)の真っ最中でもピアノのレッスンに来ていたひとりなので、効率の良い練習方法は、ピアノをどんな状況下でも続けることのできる秘訣かもしれません。

ただ、長時間、アリバイ作りの様にピアノの鍵盤の上で、なんの意識もしないで指を動かしていても、実は何にもならないのです。何時間やったか、ではなくて、何ができたか、を目的に取り組んでみると、短時間で成果が出て、お得な気分になること間違えなしです。