ピアノのレッスン再開とベートーヴェン、エリーゼの為に/オーストリアコロナ情報

オーストリア・ウィーン情報

目次

ウィーンのベートーヴェン

ピアノレッスン復活

先週末から多くの親御さんからピアノの(リアル)レッスン復活のお願いが続き、様子を見ながらはじめています。まずは手洗い、消毒をすませ、子供もつきそいの親御さん、ナニーさんもマスクは着用のまま、距離をおいてのレッスンです。8週間ぶりの再開なので子供達も大興奮です。しかしまあ、こんなにピアノのレッスンを喜んでくれるなんて、こちらも大感激です。

休み中のオンラインレッスンについて

大きな子はオンラインレッスンをして、うまく行ったのですが、多くのちびっこの親御さんはオンラインは試す前から拒否。私が、「結構うまくいくものよ〜」と言っても、

「あなたのその迫力とパッションはライブ以外は考えられないわ!」といわれ(わたしはロック・スター?)却下。オンラインは子供が望んでも、親がめんどくさい!と思うのも、ちょっと本音だと思います。

オーストリアは、特に私立に通っている子達はオンライン教育がかなり発達しています。だから課題も下手したら通常の学校時より多く、手伝う親御さんの負担がそれはまあ大きいのです。宿題もてんこもり。それに加えてお金を払ってピアノの面倒まで見るのはイヤ、というのが本音かな?わかる気もする。

さて、それはさておき。子供達は例外なく、みんなかなりきちんと練習してありました。えらいです。本当に退屈してたんだろうね、と思います。今日来たデニー君なんて、私のレッスンがなくて新しい曲ができないので良い感じのメロディを耳コピして弾いて遊んでいたと言うのですから泣けます。

そのデニーくん、私のところに来てまだ新しいのですが、ピアノが大好きになってくれました。前の先生が大嫌いで逃げるようにうちに来たとお父さんが言っていました。数年習っていたのに、何もできていない状態でした。それが、ベートーベンの「エリーゼの為に」が大好きで、これを始めたらまあ、何をやらしても覚える、覚える。1ページ目は軽く暗譜で私に言われたことをきちんと習得して持ってきました。えらい!

ベートーヴェン作曲 「エリーゼの為に」

この曲はどの国の子供も大好きです。国籍問わず、100%が憧れて、夢見る曲です。私も子供の頃は好きだった記憶があります。

さて、ベートーヴェンはこの曲をいつ作曲したのでしょう?作曲年は1810年です。ということはベートーヴェン中期。ベートーヴェンは引っ越し魔で70以上引っ越したと聞きます。ここに、ベートーヴェンが住んだ家の詳細がでていますが、これによると1810年4月24日からパスクァラティハウスに住んでいるので(その前の約2年は空白)そこで仕上げたのでしょう。1808年には主題メロディが作られていたし、「Für Elise」(エリーゼへ)のサインに4月27日とあるので、引っ越しの前にはもう構想は練られていたはずです。

ベートーヴェンの住居 パスクァラティ・ハウス

その、エリーゼの為にが作られたパスクアラティ・ハウスはウィーン1区のメルカーバスタイにあり、ベートーヴェンが断続的に8年間住んでいました。今は記念館になっています。現在はコロナのせいで残念ながらまだしまっています。彼がここで作曲した最初の主要な作品は、「フィデリオ」と後に改名されたオペラ「レオノーレ」でした。エリーゼの為にの他、ヴァイオリンソナタの10番なども作曲されています。

今日のおおすすめ ブレンデル ベートヴェン・ピアノソナタ

 

ベートーヴェンと言ったらもう、絶対にブレンデルです。

数年前、引退後にブレンデルはウィーン国立音大に来てモーツァルトとベートヴェンの後期のソナタについて講義をしてくれました。所々演奏しながら説明してくれるという方式で、彼がピアノに向かうたび、学生をはじめ全員舞台に釘付け。ちょっとだけ演奏して説明に入ると「おおおお〜、弾くのやめないで!」という無言の圧力が凄かったのを思い出します。

ブレンデルの録音数はすごいものです。どれを聞いても勉強になると思いますが、こちらは上のぱすクァラティハウスで作曲されている告別ソナタも入っています。オススメです。

 

忘れてはいません。

オーストリア新型コロナウイルス情報

在オーストリア日本大使館のメールから抜粋です。

8日(金)15時現在,新たにオーストリア国内で49名の新型コロナウイルス感染の確定症例及び5名の死亡事例が報告されました(累計確定症例数は15,714名(内死亡数:614名,治癒数:13,836名))
カタール航空のウィーン-ドーハ間のフライトは,5月10日(日)から5月31日(日)までの間、一時運休となります。この間の日本への帰国はANAのフランクフルト経由またはKLM航空のアムステルダム経由となります。(最新の運航状況につきましては,各社ホームページにてご確認ください。)