ピアノやヴァイオリン 本気組の子供に対して、どこまで真実を伝えるべきかの件

ピアノとヴァイオリン

以下、デリケートな内容なので、すべてシチュエーションを変えて書いてみます。よって楽器も、性別も、国も何もかも特定できないようになっているので、ご了承を。

さて、ピアノ、としましょう。
ある有名な教授のレッスンを見る機会がありました。レッスンを受けているのは、某国の女の子です。まだティーンエイジャーになったかならないか、の年齢。
音大生でさえ、まともに弾くのが難しいコンチェルトを、技術的には何のことなく演奏します。子供なので、かなり練習するはずです。しかし、みていた私はもう、目を伏せたくなりました。てか、実際に伏せた。

とにかく顔芸がすごい。普通にしていれば可愛いお顔の持ち主なのですが、(よく言えば)音楽に入り込みすぎて、もう、悶絶状態になってしまっています。かなりやりすぎ。まるで踊っているかのように動き回るし、全てが大袈裟、だから音が汚くなっている。でもまあ、この年齢であれば、全くOK、素晴らしい練習の成果です。努力が手にとるように分かります。

コンチェルトを全楽章聴くハメになった私は、正直、地獄の思いだったのですが、目を伏せて頑張っていました。そして、この演奏を教授がどうアドヴァイスするのか、興味がありました。

さて、教授曰く「素晴らしい音楽性です!(まず褒めるのは当たり前)でも少し、too muchだと思わない?有名な演奏家の○○は、あまり動く演奏に対しては厳しく採点するのよ」。。。。。。

アドヴァイスはかなりオヴラートに包んだ表現で、ああ、これはこの子には伝わらないだろうな、と思いました。こういう状態の演奏をする人は、もう、ゾーンに入り切ってしまっていて、演奏中の自分の顔が、一体どんな状態になってしまっているかなんて、冷静に見ることができないのです。自分で自分の動画を見ても「かなり決まってる!イエス!」と感動してしまうものなのです。

で、どうしたら気がつくかといえば、人様にズバリ指摘された時です。

私の知る、ある教授であればこの場合、「あんたの演奏中の顔、変だよ」とダイレクトにいうと思ったのですが、娘曰く「それもどうかと・・・」

子供は、(大人でもそうかもしれないけれど)一回気持ちが萎えてしまうと、アップするのが難しい、という子もいます。そうなってはまずいので、かなり用心深く表現しなければならないのですが、深い関係と愛情があれば、伝わる気もするのだけど。。。。

私の正直な感想は、これでコンクールに行ったら、すごくウケるか(怪物的な扱いで)そうでなければ、こんなものは西洋音楽ではない、と一喝されるか、どちらかに分かれるだろうなと思いました。とにかく変顔の連続なので、見るに堪えない、というのが私の正直な感想でした。

せっかく弾けるのに、これで評価が悪くなったらかわいそうだな、私だったら言うな、というのが結論です。その代わり、カバーはすごくすると思います。
しかしながら、私の生徒じゃないし、私の子供でもないので、何もできないのですが、良い結果になるといいなと思っています。