日本ではクラシックファンを自称する人、音大出身者であれば誰しもが「メンコン」や「チャイコン」挙げ句の果てには「ショスタコ」がなんの略だかすぐにわかることと思います。
「メンコン」はメンデルスゾーン作曲のヴァイオリンコンチェルトの略だし、「チャイコン」はチャイコフスキーのコンチェルトのこと。
音楽関係のみならず、日本には外国語を使った「略語」がたくさんあります。リストラだの、セクハラだのそいうの、すべて外国では通じないことを知っている人は結構少ないのかもしれません。
さすがにこの平成ではそんな学生はいないともいますが、30年くらい前、私が通訳した時に、真顔で「え、『メンコン』って言い方、外国では通じないんですか?」と私に言い放ったお嬢さんがいました。「通じるわけないじゃない。バカなの?」と当時の若かった私は思ったのですが、まあ、無理のないことなのかも。だって知らないことは知らないんだもの。
今でも日本人を相手にすることの多いこちらの巨匠などはもうふざけて、「これ、メンコンだよね〜」なんていうので、私は複雑な気持ちになります。
さすがに「ショスタコ」はショスターコーヴィッチに失礼な気がします。だって、「タコ」だものね。教授に、日本語でタコは「あの、タコよ」というと流石にそれは気の毒だ、と言っていました。
ということで、日本の外国語の略語は外国語の中では通じません、というおはなしでしたw。