練習しなくても弾ける子(人)は存在するかどうか、それはお得なのか?のおはなし。でも大切なのはやめないこと

ピアノとヴァイオリン

この手の話になると、話が逸脱して「天才」だ「神童」にまで広がるのですが、以前からお話ししているように、そんなものはいない、と私は思っていますので、そちら側は除外します。ポスターにあるような「鬼才」だ「天才」はあくまで「コマーシャル」ということで。。。。

実際、ピアノでもヴァイオリンでも初めから苦労しないで「大切な何か」ができちゃってる子供は結構います。

ピアノで言えば、特に教えもしないのに、元から綺麗な手の形で自然に打鍵できるとか「脱力」が出来ちゃってる。ヴァイオリンで言えば、左手のフォームがもう、生まれて初めて構えた時から、その「型」にきれいにハマっちゃってる子、などです。

その子たちは教師にとっても教えるのがとても「楽」です。

その一方、出来ない子は、教師が同じ教え方をしても、例えば、何ヶ月経ってもピアノを指を突っ張ることなしに弾けなくて、そのコツを掴むのに1年くらいかかっちゃったりする。ヴァイオリンで言えば、いっくら教師が毎回言っても、左手のある指だけが立ったままで弾いたりとか、力が入りすぎる、または脱力しすぎちゃってダラダラして弾けない、などなどです。

もちろん、教えもしないのに始めから出来ちゃう子は教師も本人もとても楽です。無駄な時間がないし、その分早く、たくさんのことが学べます。熱心な先生は、「手のかかる子ほど可愛い」なんておっしゃいますが、私は正直「楽な方が私にとっても子供にとっても楽!」と普通に思います。

しかしね、きちんとした指導を受けていれば、そして本人がその楽器が好きで、両親も諦めずに続けていれば、いつかは出来るようになるのです。
大切なのは「やめない」ことです。

私も、どちらかというと初めのレッスンで、「うわー、時間かかるわ」と思った子でも2年経ったらきれいな手の形で演奏していて、「やった!嬉しい〜」なんて思うことはままあります。

どんなに勘が良くて、学ぶことが早い子でも、飽きちゃったり、燃え尽きちゃってやめちゃったらそれでおしまいです。だから、楽器のゴールなんて30歳くらいになってからでないと、結局それが本人にとって幸せだったかどうかなんて、正解はわからないのかもしれませんね。