環境が「音楽一家」などで、ガチガチに将来は演奏家の道しかない、という人は別にして、一般的な普通のピアノやヴァイオリンのお稽古、ということで書いてみたいと思います。
私の場合は、ウィーンに住んでいるということもあって、幼稚園児や小学生がひとりでレッスンに来る、ということはありません。日本のように安全ではないので(それでもウィーンはかなり安全です)親やシッターさんの付き添いは必須なのです。
だから自動的に、レッスン中は同じ部屋にいることになるのですが、これが良い場合と良くない場合があるので、小さな子供というのは繊細な生き物だとつくづく思います。
基本、私はこどもの意思に従います。
同席されるのが嫌な場合、子供ははっきりとそれを告げる場合もあります。「ママは見てないで!」とか、「レッスン終わったら迎えにきて!」みたいな感じ。
おもしろいのは、お母さんやシッターさんが同席していたときは、控えめで受け身だった子供が、お母さんがちょっとお買い物に出た途端、いきなりアクティヴになって、もう、すごく積極的にピアノに取り組んだ、という例です。なので、私はちびっ子の調子がイマイチの時、提案してさりげなく席を外してもらって試すこともあります。
これもかなりまずいですが、いちばんまずい例は、それは「子供よりも親の方が積極的な場合」です。これは本当にアウト。
教師が子供に何かを聞いても、子供が答える前に親が答える。この手の親御さんの子供たちは、もう諦めていて、自分から何かをしようとしません。かなり残念です。
私の生徒の親御さんはみなさん100%素晴らしいので、一才そういう親御さんはいないのですが、以前はいました。
私が、「親が先に答えてはダメよ」と言っても「でもうちの子、自分で何もできなくて!イライラしちゃって」と言うのですが(絶対にハイと言わない)あなたが悪い。。。
伸びる子の親御さんで、このタイプはあまり見たことがないので要注意です。
趣味であれば、そして子供がまだ幼稚園児、小学生低学年であれば、同伴してニコニコかたわらで微笑んでいてくださればもう、最高だと思います。
レッスンが終わった後、私がちびっ子に、「さあ、今日習った新しいことを簡単にパパに教えてあげてみて」というと、こどもは得意げに説明します。それを微笑んでみてくださって、お釣りのないレッスン料を下されば(笑)それで私はもう、ハッピーです。
ポイントをついたところは、必要に応じて私がお願いしたら、携帯で録画してくれたり、そういう協力も非常にありがたいことです。
あくまでもレッスンの主役はこどもです。
彼らが楽しく、心地よく、学べるように協力してくださる親御さんのお子さんは、伸びます。