いつか、人間はアウトプットが大切、という話を書きました。
音楽家にとって最大のアウトプットは、パフォーマンス。人前で演奏する事ということを書いたと思うのですが、もうひとつ、忘れてはいけない立派なアウトプットがあります。それは「人様に教える」ということです。
最近、娘が仲良くしていただいている教授が言った言葉が、本当にそれ、ズバリだと思ったので書いてみます。
娘が、夏にマスタークラスで国立音大の教授のアシスタントをさせていただいて、それが本当に楽しくて勉強になった、という話をしていた時です。
「そうなのよあんた、それであんた、実際に教えるって沢山良いことがあるのよ。お金だけじゃないわよ!(笑)何だと思う?自分で自分に教えるのよ。それを意識してやってみなさい。貴女が良い先生だったら、学生も伸びる。すなわち、あんたも上手くなるのよ。意識してやってみなさい。」と。
若い時はそんなことを感じる暇も気持ちもなかったのですが、歳をとって私も考えることがあります。
子供や学生たちに、レッスンのたびに連発する言葉の数々、
「ここ、絶対に力を抜いてごらん!」「ゆっくり弾いて、自分の手や身体の動きを観察してみて、そうしたら何が悪いか発見できるよ」「焦っても何も良いことはないよ。ゆっくり出来ないことは速くできないの。自分で出来たって思っていても、それけっこう錯覚よ」
などなどなど。。。。。
自分が練習している時に、ふと思うんです。「やだ、自分が毎日言ってること、やってない時あるじゃん!」です。
そして意識して、自分で自分に指導する。これ、アホみたいに見えますが、絶対に効果があります。やってみてください。語学でも、習ったことを人に教えると、それが自分の頭に定着します。それと同じ。教えるということは、自分に教えることと同じなのですね。
立ち止まって、冷静に自分に教えてみる。おすすめです。